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  • Shino Nishikawa

すべらない話『師匠』

すべらない話『師匠』

「はい、僕が、笑いでお世話になっている○○師匠について話したいと思います。

○○師匠が、『僕のネタに心が全然こもっていない。それは、僕が長い間、東京暮らしで自然に触れていないからだ。』と指摘をくださって。でも、師匠も東京生まれの東京育ちなんですけど、師匠が若い頃は、東京の緑もまだ豊かだったと。師匠の全盛期は20代後半ですから、僕が生まれていない時なんですよ。

師匠が言うには、東京は、明治の始め頃から、人ごみが絶えなかった。でも、ビルが建ちだしたのは、戦後からだと。それで、お前は、緑が豊かだった頃の東京を知らないから今度、岩手の自然教室に一緒に行こうと誘ってくれたんですよね。

僕も面白そうだなと思って、師匠が宿とか切符とかも全部用意してくれたので、僕、一緒に自然教室に行くことになりました。

自然教室って言っても、自然の中をガイドさんについて回るという内容で、大体、師匠の方が、ガイドさんよりも、自然について詳しいんですよ。

師匠が、地球が今どれほど大変な状況か、こういう自然が東京に増えるように、俺たちも活動していかないといけない。というお話を、その時、自然教室に参加していた方全員にされたんですね。

それで、師匠が僕に、今日自然の中で、心が洗われたと思うから、次の舞台がんばれよ。と言ってくれて、僕も笑いをこれからもっと頑張ろうと決めました。

次の舞台がちょうど、師匠の知り合いのホテルのディナーショーだったんですね。

師匠がホテルまで車で送ってくれる事になっていて、僕、待ち合わせ場所で待っていると、すずめが10羽くらい飛んできて、道路で遊び始めたんですよ。ああ、可愛いなって思って見ていたんですけど、師匠の車が突然走ってきて、すずめを何羽か、車で引いちゃったんですよ。

これはエライ事になったと思って、師匠を車から出して、一緒にお墓を作ったんですけど、それ以来、師匠は免許を返納しました。

やっぱり、今ある東京の自然を大事にする事が一番だと思います。」

#すべらない話

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