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  • Shino Nishikawa

コント『俳優のレックスと女優のカリス』

コント『俳優のレックスと女優のカリス』

ベテランイケメン俳優のレックスとアラフィフ女優のカリスが、レストランにいる。

「ハリウッドは電話待ちが命なんだよ。顔がよくても、電話の催促をすればもうおしまいさ。」

「ええ、そう思うけど、若いうちは実力さえあれば、何をしたって仕事は回ってくるわ。

ポルノに出れば、みんなが面白がってその役者を呼ぶもの。どうしたらこんなに変態が集まるのかしら?」

「しー。一度だけ、僕もカメラの前でベッドシーンをやった事がある。でも僕は、酒を飲んでグダグダの状態で演じたんだ。だからほとんど覚えてない。」

「あら、本当?あなたってそういうの全部覚えていそうだから。」


「本当さ。僕は演じた役は全て覚えている。でも内容といったら、忘れかけている物の方が多いんだ。」

「そう。今まで印象に残っているシーンはないの?」

「あるよ。カウボーイの役で、馬の体を湖で洗うシーンがあったんだ。」

「あら、そんなシーンがあったの?」

「うん。あの時はすごかったよ。ケガもしたしさ。なんといっても、馬の調教師がひどかったんだよ。僕への言葉遣いが。バカとかクソとか当然のように言ってくるんだぜ?」

「それは酷いわね。」


「君はどうだい?印象的なシーンとかあるの?」

「うーん、印象的なシーンていうか、ジャックと共演した冬物語でのキスシーンは、あの時猛烈にインフルエンザが流行っていて、キスしたジャックから、私、インフルエンザに感染しちゃったのよ。レックス、冬物語見てくれたでしょ?」

「いや‥実はまだ観てないんだ。今度見てみるよ。」

「もう。」

「僕は自分の作品にしか興味がないんだ。」

「そう。やっぱり、役者として生きていく上で、一番大変なのは、電話待ちなのかな?」

「そうだね。電話は待たなきゃまずいだろう。若い頃は自分から電話して、よく失敗したよ。

だから、今はもう20年も電話を待っている状態さ。」

「嘘!そんな待つなら、もう事務所に押し掛ければいいじゃない?」

「もちろん。事務所にはよく行っている。だから、事務所も電話待ちなんだ。僕の役のね。」


「もうダメかもしれないわね。」

「いや、まだ望みはある。」



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