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  • Shino Nishikawa

コント 新人歌手のはゆみ

コント『新人歌手のはゆみ』

「こんにちは~。」

はゆみが部屋に入ってくる。

「こんにちは、お待ちしていました!こちらへどうぞ。」

社長が立ち上がり言う。


「ありがとう~。」

はゆみと爺さんがソファーに座る。


「このソファー、ベッドみたいじゃない?」

はゆみが爺さんに囁く。


「えっと、歌手のはゆみさんですよね。」

「はい。」


爺さんがしゃべりだす。

「私の名前は、楠木太蔵。今年で71才になります。どぞ、よろしくお願いします。」

「はい、よろしくお願いします。では、太蔵さんは、はゆみさんのマネージャーだということですか?」

「ううん、ちがう。私の彼氏。」


「ええっ。ずいぶん、年が離れているんですねぇ。」

「出会ったのが遅かったもんで、仕方ないんですわ。」

「うん、それはしょうがないよね。」


「えっと‥はゆみさんのご両親は、歌手になる事は知っていますか?」

「うーん。ママにはまだ言ってない。」

「あー、そうでしたか。」

「私のママさ、スナックで働いているんだよね。若い人の面倒もあるから、言っても許してくれないと思う。でも、歌手は、はゆがずっと憧れてた夢だからあきらめたくない。」

「はゆだって、覚悟決めて、東京に来たんだもんな。」

「うん。そう言ってくれるの、太ちゃんだけ。」


「太蔵さんは、普段仕事は何をされているんですか?」

「太蔵さんじゃなくて、太ちゃんって呼んでくれる。」

はゆみが社長に言う。

「えっと‥太ちゃんは、普段仕事は何をされているんですか?」

「俺はもうずいぶん前に定年退職しましてねぇ、今はシルバーやってます。」

「ああ、そうでしたか。」


「ライブとかってぇ、そっちで構成考えてくれるんだよね?」

「うん。そうだけど、基本的には、はゆみさんが主導になって計画してほしいんだよね。」

「へー、そっかぁ。はゆがやる事って、歌うことだけ?」

「うん‥ダンスとかできるの?」

「少しはできる。」

「はゆみは、ダンスがうまいんですよ。なぁ、はゆ、ここでやってみろ。」

「いや、今はいいって。太ちゃん、何言ってんだよ!」


「はゆみさんは、歌って踊れる歌手なんだね。」

「うん。でも本当は、歌手じゃなく、女優になりたいの。」

「ええ、女優に?歌手になりたいから、前の会社をやめてきたんじゃないの?」

「そうじゃなくて、前の会社では、突然、水着になれって言われたの。」

「そうだったんだ。でも、はゆは、歌が書けるんだから、わざわざ女優にならなくてもいいんじゃない?」

「ううん。私は歌書けないよ。」

「ええ?」

「はい。はゆみの歌は、全部、俺が書いているんですよ。」

「それで、私が歌っているんだよねぇ。」

はゆみは太蔵に笑う。

「ええ、そうだったんですかぁ‥。」


「それでさ、社長。」

「何?」

「薬代くれる?」

「ええ、それ、どういう事?」

「だからー、はゆ、歌手でしょ?妊娠とかしたら困るじゃん。」

「あの‥この会社では、薬代とかおやつ代とかは出ません。」

「おやつ代なんて言ってないじゃん。何言ってんの!」


「はゆ、しっかりと仕事をすれば、必ず結果もついてくるからな。」

「太ちゃんの言う事が一番信用できる!」


「はゆみさん、もう少し大人になってくれないと、ここではやっていけないからね。」

「大人って何!アイドルに年齢なんて関係ないじゃん!アイドルはずっと子供みたいだから、いいんじゃないの?」

「ええ、アイドル?はゆみさんは、歌手じゃなくて、アイドルになりたいの?」

「うん、そうだよ!」

「はゆはずっとアイドルになりたかったんだもんなぁ。」

「うん。」


「ええ。」


「もう社長とは話合わない。さよなら。」

「社長、また来ますわ。」

2人は出て行った‥。


#コント


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