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  • Shino Nishikawa

落語『スター』

落語【スター】

「今日は野球選手のゴンの話をしたいと思います。ゴンというのはもちろん架空の名前です。ゴンは野球で活躍し、今では大スターですが、昔は冴えない可哀想な男でございました。野球の才能が与えられたなら、勉強の魔法にはかかりません。なので、ゴンは、高校生や医師、弁護士などの試験の日に、必ずテレビかネットに出て、嫌がらせをすると決めておりました。

ある日、仲間がゴンにたずねました。

『オフの時は何をやっているの?』

ゴンは言いました。

『僕はテレビを観ている。』と。

だから、ゴンはスターに憧れたのでございます。しかし、厳しい練習で、ゴンの頭は狂うようになりました。勉強の魔法にかからないのに、弁護士を目指すという空想に取り憑かれたのです。ゴンはあらゆる空想をふくらませて、ますます頭をおかしくしてしまいました。

『俺は帝王だ、俺は大スターだ、俺はカリスマだ。』

『風よ、海よ、太陽よ、空気よ、水よ、全て俺のモノになれ。俺の全てになれ。』

そんなにおかしい人を仏様やキリスト様が勝たせるはずがありません。

ゴンは、新しい宗教を考えていたのです。神道の世界では、死んだ人間や動物が神様になります。ですから、ゴンのファンだった人達が、ゴンの宗教の神様になったのでございました。

ゴンは仏教徒でしたが、勝つとよくないので、お釈迦様が顔をそむけるようになっていました。キリスト教は海外の宗教ですが、イエスキリスト様が仕向けた美女や美男子を断れば、必ず力をくれます。しかし、ゴンにはそれができませんでした。

ゴンは密教をどんどん大きくさせていきました。

天照大御神様はどうでしょう?ゴンを勝たせるでしょうか?ゴンの密教は神道に基づいて大きくなっているのです。

これから先の事は、天に任せるしかありません。


バラエティーの決まりを2つ教えましょう。

1つ、誰の悪口でも言ってはいけない。

2つ、嫌い人ほど、褒める事。


ですから、本当は、ゴンは野球選手ではありません。

誰の事かは、教えられないのでございます。」

#落語

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