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  • Shino Nishikawa

落語【シリウス】

落語【シリウス】

死んだ人間は神様になる場合があると以前申し上げましたが、それは星に住む神様も同じでございます。休息を終えた魂が、星の神様になるために星に向かう時は、本当に宇宙船に乗って宇宙に出るそうです。星の女神様はアンドロメダに住んでいますが、男の星の神様はシリウスに住んでいます。シリウスといえば、モデルのようなイケメンを想像すると思いますが、そうではありません。

マイケルという25才の男は悪い女と付き合い、純情を失くしたうえに、財産も失い、腕に醜い入れ墨を入れてしまい、絶望に打ちひしがれていました。

マイケルは神様を信じていませんでしたが、ついに神に祈る日がきました。マイケルのHIVが判明したのです。その上、マイケルが病気を彼女に移していた事が判明しました。

マイケルが彼女に酷い事をしたので、彼女はマイケルに慰謝料を請求してきました。お金の無いマイケルは涙を流して、夜空を見上げました。

『星の神様、お願いします。僕を赦してください。』

ひときわ輝くシリウスにマイケルが祈ると、シリウスは大きくなりこちらに近づいてきました。

バーン

「よっこいせ。」

マイケルの家のベランダに登ってきたのは、太ったお爺さんです。

「えっ、あなたは?」

「俺はシリウスだ。お前、俺を呼んだだろう?」「はい‥。」

「彼女をエイズにしてしまったのは、お前は自分がエイズだと知らなかったからだな?」

「はい、そうです。僕は何も知りませんでした。」

「うん、お前には悪気はない。赦してやろう。今回ばかりはな。」

「え、ありがとうございます!」

「ただ、今ここで、お前の病気を治すわけにはいかないんだ。次の満月が来た時、月に向かって土下座をしろ。そうすれば治るだろう。」

「わかりました。」

マイケルは半信半疑でしたが、次の満月が来た時、土下座をしました。

『病気が治っても、あなたはすぐに死んでしまいますわ。幸せになんてなれませんよ。もしも生まれ変わってもね。』

満月というのは嘘を言うものですが、マイケルに対してはひときわ酷い事を言いました。

しかし、マイケルは耐え、満月を直視したのでございます。

すると、その時です!満月の浄化作用で、マイケルのエイズが治ったのでございます。

マイケルのように辛い時は、夜空に祈るほかないのでございます。

#落語

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