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  • Shino Nishikawa

落語【人柱になったミア】

落語【人柱になったミア】

こんにちは。今日お話するのは、人柱のお話です。人柱というのは災害が起きた時に、街を守るために自分が犠牲になる人の事をさすと思いますが、今日、僕がお話するのは、みんなの人生を守るために、神様が選ぶ人柱のお話です。

皆さんの人生は山あり谷ありだったかもしれません。でも、大体の人が、『あの人よりはいい。』人生を歩んでこられたと思います。

まず人柱として、神様は高校のひと学年から男女一人ずつ選びます。その人は、高校は卒業できるかもしれませんが、卒業後はうまくいきません。特に人柱に選ばれた女性は、生涯、1人暮らしをしたり、正社員にはなれません。その代わり、神様が下さる物は、綺麗な容姿と可愛い子供です。

ミアちゃんは、人柱に選ばれました。他の人よりも遅れている自分を責めましたが、神様から声が届いたのです。

「神様、私全然働けなくてごめんね。」

『ミアちゃん、大丈夫よ。あなたは素敵なお母さんになれる。今度子供をあげますから、待っていてね。』

「え、いいの?」

『もちろん。』

ミアちゃんの旦那さんは貧乏ですが、とてもかっこいい人でした。

ミアちゃんは子供を3人も、神様にもらったのです。

人柱のミアちゃんの子育てを、神様が手伝いました。

「ヘルプ!」

ミアちゃんが言うと、神の手が伸びてきたのです。

ある日、ミアちゃんは言いました。

「神様、やっぱり、私は子供を産んでみたいよ。そうすればもっときちんとしたお母さんになれるから。」

『でも、子供を産めば、あなたの可愛らしさが失われるかもしれませんよ。』

「それでもいい。どうせ、またヘルプと言えば助けてくれるんでしょ?」

『はい、わかりました。またいつかね。』

しばらくすると、ミアちゃんは4人目の子供を妊娠したのです。

まわりの人々はチャラチャラしているミアちゃんを白い目で見ましたが、お腹の子供は順調に育っていきました。そして、元気な男児を出産したのです。たった5ヶ月での出来事でした。

それでも、いずれ、ミアちゃんの子供の一人は死ぬだろうとまわりは予想しましたが、ミアちゃんは人柱です。生涯、正社員として働いたり、1人暮らしはできません。

ミアちゃんは酷い母親だったとしても、子供の命は神様が保証したのでした。


『この学年から、人柱を選ばなければならない。その者は大きな苦しみを負うだろう。でも、特別な人生を歩む事が出来る。』

神様に言われたあの日、僕が立候補しなかった事こそが、僕の人生の過ちなのでございます。

#落語

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