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  • Shino Nishikawa

落語【平安京】

落語【平安京】

極楽浄土がどんな場所なのか、詳しく語れる者は、生きてはおりません。皆が生まれてくる前に、その場所の記憶を失くすからです。しかし、僕はある事実を知っているのでございます!

それは、一部の人間は死んだ後に、平安京に行くということです。平安京は天国でも地獄でもありません。電気がまだ通らない世界ですから、不便だとは思います。

そこで何をして過ごすのかは分かりませんが、僕が、天国が平安京にあるということを知ったのは、源氏物語にはまったことがきっかけです。源氏物語を読み始め、気づくと僕は、平安京に降り立っていました。そこには、僕の知り合いの亡くなった者たちが生きていたのでございます。すぐに僕は現実社会に戻りましたが、平安京に住む者たちが不便していないか心配になりました。いくら死んだ後とはいえ、平安京にはティッシュペーパーもないのでございます。ですから、時々僕は、源氏物語の間にティッシュをはさみ、平安京に届くように念をこめております。

皆さん、辛い時には古典を読んでください。きっと平安京を観る事ができるでしょう。そして必ず助かるのでございます。

#落語

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