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  • Shino Nishikawa

落語【神社】

落語【神社】

前にも話しましたが、死んだ人間や動物は、神社やお地蔵様、道祖神に宿る役目が与えられる場合があります。どんなにサビれた神社でも、神社と名が付く場所には、魂が宿っていますので、丁重に扱うようにしてください。

前世で悪い事をした人も神社に宿りますよ。もちろん、本殿ではありません。

本殿の周りにある小さなお宮やお地蔵様に宿る事が多いです。だからそういうお宮にも手を合わせてください。

昔、ヒミヤ君という死んだ男が、大きな神社の神様の弟子をしておりました。ヒミヤ君が、初詣でわきからお祈りした人についていってしまい、何時間も並んだ人の願いが叶えられず、その人を自殺に追い込んでしまうという大きな事件を巻き起こしたりました。神様はヒミヤ君を見捨てませんでしたが、ヒミヤ君は生きている時に禁欲を学ばなかったので、死んでからもずっとそればかり考えている困った男でした。

ある日、ヒミヤ君は女性の願いを叶えるべく、相手の男性に乗り移り、女性と楽しく過ごしたのでございます。しかし、女性は幸せになれたと喜んだので、神様はヒミヤ君をこの神社で1番上の神様にならせようと考えました。神様が人間に生まれ変わる日が近づいていたのです。ヒミヤ君は大喜びで1番上の神になり、日々参拝客の願いを聞いていました。

毎日欠かさずお参りに来る人の願いは、いつも好きなプロ野球球団の事ばかりです。その上、毎晩の野球の試合はその人の願い通りになっていたので、ヒミヤ君は面白くなりました。またその人が来たので、ヒミヤ君がわくわくして願い事を聴いていると、わきから犬が来て吠えました。「チッ。今楽しい話をしているのに、なんだこの犬は。」

「俺は本当は犬ではない。3年前に天寿を迎えて霊として戻ってきた。俺はこの神社の神になりたいのだ。」「何をぬかすか!この神社の神の座は絶対に渡さん。」

「実は近くに孫が住んでいてねぇ‥。可愛いから、ここで守りたいんだよ。生きていた時だって、あんたよりも俺の方が、この地区の人から頼られていたんだ。」

「へぇぇ、そうかい。俺は生きていた時の事なんか、ほとんど覚えていないさ!」

「でも、死んだ後の事は覚えているんだろ?忘れたとは言わせない。あんたが男に乗り移って幸せにした女のことを。その女は、男と別れたショックで、つい先日死んじまったよぉ。」

「え‥。」ヒミヤ君は息を飲み、神の座を明け渡し、人間に戻る事にしました。生まれ変わったヒミヤ君は、前世で禁欲を覚えていなかったため、また快楽に溺れてしまいました。

死んでいた時に神様をやっていても、それが役に立つのかどうかはまだ分かりません。でも、よく頭に浮かぶ神社があれば、その場所に、あなたの知り合いが神様としておりているはずです。ぜひ、参拝に行ってください。必ず守られるでしょう。

#落語

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