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  • Shino Nishikawa

5つの呪文~リトルチムニーの物語~④

最終更新: 2019年12月17日

5つの呪文~リトルチムニーの物語~

60年前の事です。リリーは黒人の貧困女性で、テントで暮らしていました。リリーには夫と幼い息子がいますが、家族全員HIVという病気でした。

ある日、テレビ局の人が貧困の黒人たちを撮影しに来たので、リリーは嬉しくなり、息子を抱いて微笑みました。

あとで、テレビを見せてもらいましたが、ちっとも綺麗には映っていませんでした。

リリーは泣き、もっと美しくなりたいと思いました。

リリーは努力するようになりましたが、ある日、HIVが原因で命を落としてしまいます。


生まれ変わったリリーは、今度は白人でしたが、もう40才でした。可愛い息子に会いたいと思いましたが、電話番号が分かりません。自分がどこに住んでいたのか、思い出せなかったのです。

でも、40才のリリーには家がありました。優しい主人も、賢い犬もいます。

ぼんやりとした記憶の中で、前の旦那との仲がうまくいっていなかった事を思い出しました。

テレビで、歌手が歌って踊っているのを見て、自分もああなりたいと思うようになりました。

でも、40才のリリーには難しい事です。リリーは、星の女神様にお願いをしました。

「お願いです、私をもっと美しくして、歌と踊りの魔法を授けてください。」

夜、星の女神様が現れて言いました。

『今は歌手になれなくても、あなたが今の自分のままで、輝いて生きていけば、次の人生で必ず、歌と踊りの魔法をあげましょう。』

「ありがとうございます。でも、今回はダメなんですか?」

『そう。世界のステージに立つのは難しい事よ。いくつもの人生を生き抜いて、立てるようになるの。』

「そうだったんだ。わかりました。」

『リリー、人に親切にしなさい。それから、辛い事があった時は、祈る事を忘れないで。

迷った時は、どうすればいいですか?と心の中で、神に聞いてみなさい。』

「神様はいつでも私の事を見ているの?」

『もちろん。でも、それは神様だけじゃない。世界のどこにでも魔法があるの。祈れば、魔法があなたを包むでしょう。

5つの呪文を教えてあげるわ。

助けてください。

守ってください。

導いてください。

幸せにしてください。

させてください。

苦しい時には、どれかを選んで、心の中で唱え続ける事で、あなたのそばに魔法がきてくれるわ。』

その晩、リリーは安心して眠りました。


それからというもの、リリーは頑張って生き、年をとってからも、歌とダンスの練習をしました。そして、77才の誕生日、リリーは22才に若返ったのです。

リリーは、世界的歌姫になりました。



ミーアという黒人女性がいました。ミーアもリリーと同じように、歌手になるために、人生を生き抜いてきていました。

良い歌手になるためには、少しだけ苦しい状況に身を置き、生活をしなければなりません。苦しい状況というのは、家が貧乏とか、汚いという事です。悪すぎるのはよくありません。歌手になれば、自分の歌を、社長やお金持ち、政治家にも聴かせるのです。

新しい家や良い家に住んでいても、困難は降りかかります。その困難に向き合い、我慢するのが良いのです。


ミーアは、ずっと困難に向き合って生きてきました。

母親が麻薬をして、若い男と出かけたりしていたのです。

ミーアがようやく小さなステージに立てた時、とても誇らしい気分でしたが、母さんの事を笑われてしまいました。

ミーアは悔しくて、裏で赤い顔で泣きました。

でも、良い歌手になるには、それは良い薬と同じです。

それが分かった時、ミーアはにっこりと笑いました。

なぜ分かったかというと、ミーアは5つの呪文を使ったからです。


ミーアが有名になってきた時、嘘をつかれて、パブに呼び出されました。

すると、悪い男たちがミーアを囲み、嫌な事を言って、ナイフと銃で脅しました。

すると、ミーアは強い顔で、「あんた達、死にたいの?」と言い返したのです。

ミーアは音楽が流れると、魔法にかかったように歌い、悪い男たちの心を変えてしまったのです。


ミーアやリリーの歌が心に響き、勇気をくれるのは、彼女たちが何度も人生を生き抜き、困難に打ち勝ってきたからです。

いつか、ミーアやリリーのようになるためには、それが分からなければなりません。

ですから、苦しい時は、5つの呪文を繰り返してください。

きっと人生に光を感じられることでしょう。

#絵本シリーズ

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