The Big Wind~花蓮の魔女~

December 18, 2018

The Big Wind~花蓮の魔女~

リョク・リーワンは花蓮出身の19才の女の子。台湾一、お洒落なエリアにある料理学校に通い始めました。リョクの両親は花蓮で台湾料理の食堂を営んでいました。昔は雇っていた従業員がミスをし、食中毒事件を起こしたこともありましたが、今は両親と、リョクの従姉のマノイ、近所のファンナム爺さんが経営しているのでまあまあ盛っていました。しかし、リョクは両親のように台湾料理ではなく、お洒落なカフェを経営したいという夢があったので、両親に頼み込んで台北一お洒落な料理学校に通うことになりました。

 

学費がそこそこ高いので、学校から40分電車でかかる場所にアパートを借りることになりました。でも、そこには昔ながらの風景があり、夜には毎日のように夜市があったのでリョクはその場所を気に入りました。リョクはそこのチェーンのカフェでアルバイトをすることにしました。

 

4月。学校が始まりました。すぐにノムとユミハという友達ができました。ノムは男の子でユミハは女の子です。リョクは二人は付き合うといいと思っていました。だんだんとノムとユミハだけでなく、クラス全員が仲良くなっていきました。夕方、時間がある時はクラスの仲間たちで夜市で遊んだりしました。

みんな高い志を持って学校に通っていたので、レベルの高さに驚きました。カフェの料理は味はもちろん、インスタ映えするお洒落な見た目も重要です。料理の盛り付けを考えるうちに、リョクは料理は自然。だって食べ物は自然なのだから‥‥。と感じるようになりました。

 

ある日、クラスのみんなに課題が出されました。それはデパ地下で売られるスイーツの考案です。みんな素晴らしいアイディアをだしましたが、リョクのスイーツは一段とすごいものでした。ひらいたシュークリームの中に、パイ生地、フルーツ味のクリーム、その上にブルーベリーやいちご、金箔、ミントを飾るというものでした。クラスのみんな、リョクのスイーツはいける‥、と思いましたが、学校でアシスタントをやっているノア・スズキ先生がリョクのアイディアを自分のものにしてしまいました。学校から帰る時、リョクは異常に自分のテンションが高ぶるのを感じました。ノア・スズキがリョクに麻薬を飲ませたのです。リョクは電車を降りそこないました。次の日になっても精神の高ぶりは抑えられず、リョクは学校で倒れてしまいました。でも、意識があったので職員室まで連れていかれました。リョクが若い女の事務員からカウンセリングを受けていると、ユミハとノムがきました。二人は麻薬だと分かっていたので、交番から警察を呼んできました。

警察は「誰がやったのかいずれ明らかになる!」といって、ひとまず学校をあとにしました。

リョクもだんだん落ち着いてきたので、夜市でスープを3人で飲んだ後、帰りました。

リョクはショックから立ち直れないままでした。バイト中も首をふっては記憶を消そうとしました。

すると、25才くらいの白人青年が「どうしたの?」とリョクにたずねました。リョクは「すみません。」と言って赤くなりました。

 

次の日、学校から帰る途中に気づきました。その人は学校の近くのイタリアンレストランで働いている人でした。そしてなんと、リョクのアパートの隣の部屋の住人だったのです。その人はとても紳士的だと、リョクは思いました。

休みの日。カフェでコーヒーを飲んでいると、その白人青年がリョクの隣の席に座りました。

「こんにちは、リョク・リーワンさん。」

リョクは驚いた表情で彼を見ると、

「僕のことは知っているだろ?君の学校の近くのイタリアンレストランで働いているんだ。」

は、はい。いつから台湾にいるんですか?

「う~ん、10年くらい前から、来たり出たりしてる。本当はフランス人なんだけどね。ほら。」

そう言ってパスポートを見せました。そこに書いてあった名前はジル・ローランです。

「僕のことはジルと呼んで。リョクさんの邪魔はしないから。」

そう言い残して、ジルはその場を立ち去りました。

 

数日後の夜、ジルの部屋から英語が聞こえました。どうやら、ジルが電話しているようでしたが、リョクは気にしませんでした。そのあと、新聞の勧誘がやってきました。リョクは断ったのですが、すごくしつこくて怖くなりました。リョクがドアを閉めても、ドンドンとノックしてくるのです。部屋に帰ってきたジルが新聞勧誘を追い出してくれました。リョクには初めての経験だったのでリョクは泣いてしまいました。そうすると、ジルがリョクの部屋に入ってきました。ジルとリョクはその日から恋に落ちたのです。

 

ある日、

「リョクに言ってなかったこと言ってもいい?」

ジルは話を切り出しました。

「僕には霊能力がある。」

うそ、と言ってリョクは笑いました。

「ホントだよ、ホラ!」

そう言ってジルはリモコンを使わずにテレビをつけました。リョクは笑ってリモコンを調べましたが、なんとなく、能力は本物かなと思いました。リョクは全然気にしませんでしたが、ジルにはさらなる秘密と大きな霊能力があったのです。

 

リョクはまだノア・スズキに狙われていました。ノア・スズキは財閥の娘で、才能があるリョクを、一族全員が狙っていたのです。

ある日、ジルとリョクは台北郊外にあるお洒落な町までデートにきました。最初からつけられていることをジルは気づいていました。

 

そして、帰る時、飲みものをジルが買いに行ったすきに、ノア・スズキがリョクを線路に突き落としました。すぐそこまで、電車が迫ってきていたので、リョクは『もうダメだ』と思いましたが、その瞬間強い力で空気が変わりました。目を開くと、リョクはまだホームにおり、ノア・スズキが電車にひかれ粉々になっていたのです。

リョクは泣き、ジルに抱き着きました。

「ごめん…。どうしてもリョクを守りたくて…。」

「お願い…ノアさんを元に戻して…。」

リョクはジルの胸をたたき、頼みました。

「わかった。」

ジルは両手をノアの残骸にかざすと、また強い力で空気がかわり、目をあけた時にはノア・スズキが何事もなかったように、電車を待っていました。リョクとジルは手をつなぎ、家に帰りました。

 

その日、ジルは一人で台北タワーに遊びに来ていました。台北タワーからの景色はジルが世界で一番お気に入りの景色だったのです。

そこでは、なんと10兆稼ぎ、世界一の富豪となったビル・ナイツが台湾の役人といました。

「なぜ僕がパソコンを開発したか」のドキュメンタリー映画が台湾で公開されるので、そのプレミアに来ていたのです。

ビルはジルを見ると凍り付き、

「アレクサンドロシス先生。」

と言いました。

「なぜ…?先生は生きておられたのですか…?どうしてこんなに若い…。私がコンピューターを開発できたのは先生のおかげだったというのに…。先生、亡くなったと思っていました。」

「…ビル・ナイツ。彼ほどの天才はいない。彼は世界を救う救世主であり、キリスト以上に崇拝される価値のある人物。…私の父のアレクサンドロシス・ローランがよく言っていました。」

ジルは笑うと、

「先生の御子息でしたか…、よかったらプレミアに来てください。」

ビルはチケットを二枚くれました。

 

その夜、ジルとリョクはプレミアに行きました。リョクはジルがくれたお洒落なドレスをきました。プレミアが始まる前、

「実はジルと花蓮の両親に紹介したいんだ。」

とリョクが言ってきたので、ジルは喜んでオーケーしました。

 

二人は花蓮に行きました。従姉のマノイが出迎えると、リョクはマノイに抱き着きました。食堂につくと、ファンナム爺さんが

「おお~帰ってきたか!」と喜びました。リョクの母さんはジルを見ると少し涙目になりました。でも、両親も嬉しく思い、台湾料理をふるまいました。

 

リョクはマノイと愛犬のシューをかまいながら話している間に、母さんがジルに、尋ねました。

「あの、リョクが小学校の時にお世話になったALTのクレマン先生ですよね?」

「お母さん、このことはリョクには内緒にしていただけますか?」

「わかりました、リョクのことを気にかけてくださってありがとうございます。」と母さんと父さんは頭を深々と下げました。

リョクはマノイから悲しい知らせを受けました。それは、リョクの幼馴染のアオリ・リオという男が、バイクの事故で亡くなったというものでした。葬儀は家族だけで行われたとのことでしたが、リョクにとってアオリは特別な人でした。ジルはリョクを抱きしめ、慰めました。

 

夜、ジルはひとりで海を見ていました。そして、通帳をだしました。それはスイスの銀行のもので、多くの名前が並んでいました。ジル・クレマン・功・アレクンドロシス………イエス・キリスト、と。ジルはキリストだったのです。キリストは不老不死で、現在もジル・ローランとして生き続けていたのです。ジルのことは、スイス政府が超極秘で新しいパスポートなどの発行をしていました。

 

ジルは夜の海にむかって手をかざしました。すると、道ができました。『ちがう、道ではない。リョクが愛していた男をよみがえらせるのだ。』ジルは首をふりました。死んだ人間は蘇らせない、それは2千年以上ジルが守ってきたことでしたが、すでにもう、ノア・スズキをよみがえらせていました。ジルはイスラエル語で聖書の言葉を唱えました。

 

次の日、何も知らないリョクは元気になっていました。リョクは花蓮をジルに案内しました。そして、リョクとアオリが通っていた小学校に来た時、ジルは指をパチンと鳴らしました。すると、木々がなびき始め、風が吹いてきました。ビッグウインドです。リョクは目を細めつぶり、開くと、なんとアオリが立っていました。アオリ!!!近所の人たちも、アオリが蘇ったことにびっくりしましたが、すぐになぜか納得し、喜びました。

 

ずっと、ジルとリョクの関係は続いていました。しかし、そんな中、日本で311が起きます。ジルの出番でした。もう、リョクにお別れを言わなければならないと感じ、

「実は僕は…。」

とリョクに言いかけると、

「分かってる、沢山の人を助けて。」

「もうこれから先何年、台湾に来られなくなるかわからない。」

「いいのよ、私はずっとジルを忘れないわ。」

最後にジルはリョクを抱きしめ、言いました。

「私の最愛の女性、マグダラのマリア。」と。

 

ジルは被害地域につくと、目をとじ十字架をとりだし、最大限のパワーを作りました。『助かるべき人よ…。』すると、竜巻がおこりました。みんな目をつぶります、開くと10人ほどの人が立っていました。これだけか…、もっとだ…。さらに強い力で、計100人ほどの命を救いました。

 

5年後、リョクは花蓮のカフェで働いていました。クラスの仲間が企業したカフェです。リョクはジルを失って以来、読書を沢山しました。そして、カフェで働きながら、小説を書きはじめました。

ある日、火事が起きる物語を書くと、次の日、台湾各地で山火事が起きてしましました。

アオリは怒って、リョクが仕事に行っている間にリョクの部屋に勝手にはいり、リョクが書いていた物語を見ました。

『くそ…。リョクに話さなければ…。』

次の日の朝、ファンナム爺さんのところにアオリとリョクはきました。

「リョクのおばあさんは魔女だった。」

おばあちゃんが魔女?!リョクは驚きました。

「おばあさんには不思議な能力があった。俺も60年前、事故で指を失ったが、おばあさんが触るとすぐに指は治った。しぼんだ花もまた咲かせてしまうので、おばあさんは冬も庭の花を満開にしていた…。リョクにもその能力がある。いいか、絶対に人にこのことを言うでないぞ、他人の不幸のために使ってはならぬ、みんなの笑顔のために使うのだ。」

 

リョクは落ち込んでいました。アオリが励ますために屋台のラーメンをすすめても、リョクは食べません。

「私にそんな能力があったなんて…。」

「リョク、大丈夫だ。もう何も書いちゃだめだぞ!」

アオリはリョクを慰めました。

 

ジルが台湾を去って10年後。またジルは台湾に来ました。

リョクは30才です。大人の女性になっていました。リョクはまだカフェで働いており、昨日してしまったミスを思い出し、消すために首をふりました。

すると、

「どうしたの?」

白人男性が声をかけました。

「すみません、あっ。」

ジルでした、リョクは嬉しくなりました。

リョクとジルは夜、二人で海を見ていました。そして、ジルがスイス銀行の通帳をとりだし、リョクに見せました。

「キリスト?」

「僕は2千年以上生きてきた。20年前、君を見つけ君の教師になった。僕はクレマンさ。」

そんな…。クレマン先生はALTでした。能力に気づかないリョクが苦手な女の子にケガをさせてしまった時に慰め、ケガを治してくれた人です。

「君はマグダラのマリア。2025年前、僕にチャンスをくれた人で、僕が永久に愛する女性。」

二人はキスをしました。

 

ジルはまたどこかに行ってしまいました。また戻ってくると約束して。

リョクはカフェの店長を任されました。これからも、魔女という自分の身の上を隠し、花蓮で働き続けるのです。

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