雅久とゆかいな高校生たち【悲しい事件編】

April 10, 2018

雅久とゆかいな高校生たち【悲しい事件編】

5月。事件は起きました。犬養寿々美(いぬかい すずみ)が放課後、忘れ物を取りに行くと、教室でC組の御仁田衣里(おにた えり)が同じくC組の西山拓哉(にしやま たくや)にお尻を見せていたのです。

西山は衣里に

「生ケツ見せろよ~。」

と言っていました。すずみは下駄箱まで走り、同学年の女の子達に伝えると、その子たちは先生にしらせに行ってくれました。次の日、すずみは小林雅久先生から、口止め料の高級チョコレートをもらいましたが、クラスの男子たちは、知っているかのように、神妙な顔ですずみを見ました。

 

6月中旬。7月の文化祭で行われる生徒会主催のミス・ミスター半澤コンテストの仮投票が行われ、1年上位にA組の宮加三王汰(みやかみ わんだ)G組の雪林藤摩(ゆきばやし とうま)そして、なんとクリキンがランクインしたのです。大宮も内心選ばれると思っていたのでアレ?と思いましたが、将来はスポーツで一花咲かせるつもりだったので、すぐに納得しました。

ちなみに大宮が一番得意なのは野球ですが、サッカー部に入っています。でも、みんなわかっていました。女子の先輩たちが一番好きなのは、F組の丸木ロウテルだと。ロウテルはみんなからロッチと呼ばれています。お母さんはスペイン人なのですが、ロウテルが小さい頃離婚し、今はお父さんと二人暮らしをしています。

「普通、一番好きな人の名前書かないよな?」

みんな言っていました。クリキンは野球部で丸刈りです。どう考えてもイケメンタイプではありません。でもクリキンは調子にのっていました。

 

そして10月。雅久の人生最大のピンチが訪れます。なんと、クリキンのお母さんが亡くなったのです。それは突然でした。亡くなった日の夜に雅久にお父さんから連絡がきました。

クリキンのお母さんは、日の丸飯店(ひのまるはんてん)というデパートの中華総菜コーナーで働いていました。丸木ロウテルのバイト先でもあったので、雅久はよく買い物に行っていました。

話によると、クリキンのお母さんは木曜日に体調を崩し、仕事を早退し、家の居間で眠るように亡くなっていたとのことでした。医者によると、突然のくも膜下出血だということでしたが、ふに落ちない点がいくつもありました。

木曜の昼。クリキンにお母さんから、

「体調が悪いから、仕事を早退します。」

というメールが入っていました。でも、クリキンのお母さんは体調不良の時でも、家にいるならおいしいご飯を作ってくれていました。だから、クリキンはルンルン気分で家に帰りました。しかし、そこには松下大学(まつしただいがく)に通う兄の嵐菊(らんぎく)とお父さん、親しい間柄の医者の松山先生、そして、亡くなったお母さんがまっていました。クリキンは言葉を失い、床にへたりこみました。

「ど…どうして。」

「お母さんな、急な病気で亡くなったらしいんだ。」

お父さんが強い言葉で言いました。

「先生!!!お母さんを起こしてください!!!」

クリキンはすがりつきました。

「申し訳ございません…。本当に申し訳ございません。」

と言って松山先生は泣きました。二人とも、お母さんが毒殺されたことに気づいていました。

その日の夜、知らせを聞きつけたお母さんの友達が沢山来ました。美術の神沼有美子(かみぬま ゆみこ)先生もその一人です。みんな泣いていました。

校長、教頭、学年主任、雅久も来ました。雅久はクリキンが一番好きな食べ物である、日の丸飯店の北京ダックを持っていきました。丸木ロウテルもクリキンのお母さんに中華総菜の試作品をいただいたりして、好きだったのでクリキンの家の前で泣いていると、クラスの男子たちも来ました。みんな、興味本位で来たわけではなかったので、家の前にずっといました。

他のクラスの女子や女の先輩、雲雀桃子たちが来たので、「やめろよ!」と言って帰らせました。そのうちに嵐菊が男子に気づき、クリキンが出てきました。クリキンは泣いていました。みんなも一緒に泣き、クリキンを慰めました。

 

帰り道、みんなこんなに突然はおかしいと思い、殺人を疑いはじめました。でも、手をだすのは危ない賭けです。そこで、日の丸飯店で働いているロウテルが調べることになりました。ロウテルでしたら、顔がいいので何度もスカウトされていたし、もしもの時にはスペインに逃げられるからです。

 

次の日。フィリピンから職業訓練で来ているミミ・ファンに頼んで、女子更衣室に何か落ちていないか調べてもらうことにしました。ミミには台湾大使館で働く婚約者がいるのでロウテルも安心していました。そして、ミミは白い破片と、碧いキャップのようなものを見つけてくれました。

そして、ロウテルは日の丸飯店の従業員の表情をよく観察しました。やけに明るい人、クリキンのお母さんと友達だったのに仕事に来ている人の名前をメモ帳に書き留めました。夜。水曜日のことを思い返しました。セールで100円の小籠包がひとつ1000円で売られていたこと、中華総菜のチーフが公休だったこと、管理の雲雀桃子の母親である、美智子がいつも以上に声がおおきかったこと、サービスカウンター担当で、年齢詐称している広瀬スズが汗臭かったこと…。

次の日はクリキンのお母さんのお葬式でした。ロウテルは自分の小遣いから1万円だし、お父さんからも2万円もらって、3万円、クリキンのお母さんのために持っていきました。葬式にはなんと5000人も集まりました。クリキンのお母さんは宮高キヨシ監督のアニメ映画の声優を務めたこともあったので、宮高キヨシ監督からも弔電が届きました。それにクリキンのお母さんは嵐の大ファンでした。Vs嵐の観覧に何度も行ったことがあったので、嵐からも、とても素敵な花が届いていました。

クリキンのお母さんへの弔辞は頼んだわけでないのに、20人以上が話すことになりました。それほど、みんなから愛されていたのです。クリキンの気持ちは少し楽になりました。

ちなみに、ロウテルは最後にクリキンのお母さんに会うことができました。とても安らかな表情でした。二人の子供はもうすぐ一人前の男になります。死がどんなに早くても、自分の人生の務めは終わっていたのです。ロウテルは必ず、犯人を見つけ、罪の深さを分からせると誓いました。

 

夜。ロウテルはこれは毒針で殺害されたと思いました。白い破片と碧いキャップで分かったのです。次の日、まずは24才なのに44才と年齢詐称している広瀬スズから取り調べることにしました。「栗山さんに恨みでもあった?」と聞くとスズは赤くなりました。これはやっぱり黒です。

次はフルーツコーナーの小平さんです。「栗山さんに何した?」と聞くと、小平さんは下を向きました。黒です。

少しすると、売り場チーフの駒さんが来ました。「栗山さんのこと知ってたんだろ!」というと、「しっ、しらないよ~。」と言いました。

そして、中華総菜の優馬ひあさんに「栗山さんの友達だったと思ってた。」と言うと、「だけど、仕方ないよ~。」と言いました。

最後に雲雀桃子の母親である美智子に、「栗山さんを殺したのは誰ですか?」と聞くと、「スズでしょ。私はな~んもやってない。スズがやってくれたんだ~!!栗山さんのこと、ホントにムカついてた。」と言いました。ロウテルはその場で美智子の首をしめ、ひるんだのですぐに離しました。どうやら、小平、駒、優馬は計画を知っていて、主犯は美智子、実行犯はスズのようでした。ロウテルはすぐに日の丸飯店の支配人に話しました。でも、支配人は子供がいる美智子とスズが捕まるのを恐れていました。だから、あれは病気でしょー!と言ってきました。その場でロウテルは支配人に空手チョップしました。ロウテルはすごくイケメンの26才の警察官、家身元カエラ(やみもと かえら♂)に相談しました。カエラはロウテルに、警察を動かすと約束しました。

夜、大宮から電話がきました。

「犯人見つかった?」

「どうやら桃子さんのお母さんが主犯らしいんだ。同級生の母親でも許せないよ。」

「で、どうする?」

「大丈夫、カエラさんに相談したから。明日学校来るよな?」

「うん、行く。」電話を切りました。

次の日。クリキンも学校にきました。桃子も来ていました。『まだ警察は動いていない…。』男子たちはずっとだまっていました。大宮が休み時間に笑うと、クリキンも笑いました。ロウテルやアベトラはうつむいていました。

火曜日。桃子は学校を休みました。次の日もその次の日も…。雅久は生徒には言いませんでしたが、桃子は母親が捕まり、瀬戸内海の知り合いの近くで暮らすことになりました。高校を辞めるということです。

 

桃子の父親は、本当の父親ではなかったので、別に暮らすことになんの悲しみもなかったのに、お母さんが捕まり、3年の刑になったことはとてもつらく、「お母さんね、人を死なせてしまったから、しばらく会えないからね。桃子ちゃん辛いね。本当にごめんなさい。」そう言われた瞬間泣きました。

自殺しようと思いました。でも、そんな時そばにいてくれたのが、初Ⅽの相手である、東海シズリ(とうみ しずり♂)です。シズリは19才でした。瀬戸内の方で二人で暮らそうと言いました。シズリに抱きしめられるとすごく安心しました。シズリと眠る夜があれば、どんなに辛い日でもこえられると思いました。シズリと桃子は二人で暮らすことにしました。桃子も働くことにしました。職場はスーパーです。もちろんお母さんのことは秘密ですが、もしも知られたって平気でした。だってシズリがいるのだから。男は女と違い、週40時間働く体力があれば、食える以上の金を稼ぐことができます。シズリも20万以上稼いでいたので、二人あわせて月30万以上あったので余裕でした。

 

そんなある日、日本を代表する漫画、「ワンロース」の作者、尾道さかえ先生が桃子のもとを訪れました。

「お母さんのこと聞いたよ、辛かったね。私も20年前。高速道路で飛び出してきた男性をはねて殺めてしまったことがある。でも、人を殺めても私は世界一美しいものが書けたんです。だから大丈夫。桃子さんのお母さんも桃子さんも必ず、美しいものが書けます。」そう言って、プロが使う画材をくれました。「桃子さん、絵をかいてごらんなさい。」尾道先生は言いました。

桃子はシズリがいれば、なんの資格もなくたって、なんの知識もなくたって大丈夫だと思っていました。でも、尾道先生の言葉で、自分が描く美しいものを見たいと思いました。

 

雅久は桃子が引っ越す時、「先生は桃子のお母さんは悪いなんて思ってない。ずっと味方だから。」と言いました。手紙を書きましたが、伝わったか分からなかったので、瀬戸内の桃子が働くスーパーまで会いにいきました。桃子は少し大人っぽくなっていました。

帰りに瀬戸内レモンのゼリーをお土産に買って帰りました。クリキンにあげるためです。もちろん雅久は、美智子よりクリキンのお母さんの方が好きでした。でも、いつかクリキンは美智子を許し、桃子に会ってほしかったのです。

 

雅久は昼休みにクリキンに「よく冷やして食べろよ。」と言ってあげました。「え、なんで僕にだけに…。」クリキンは桃子が瀬戸内にいることを気づいていませんでした。「金太郎を励ますためだ!!」と雅久は言いました。

数分して教室に戻ると、冷やしていないレモンゼリーを男子たちとクリキンが食べていました。アベトラまでもが食べていました。「せんせ~い、おいしいで~す!」雅久はガクッとなりました。

 

放課後、職員室に行くと、なんと特別講師でシオン・ニシザワが来ることがわかりました。数日ぶりに雅久は安心した気持ちになりました。

夜、ノエルのSNSを見ると、月のもとで光るキャンドルの写真でした。なんとなくノエルに雅久の悲しみが伝わっている気がして、さらに安心しました。

 

ちなみにロウテルの好きな人もノエルです。雅久はノエルの知り合いなので、ロウテルは雅久がスキでした。そもそもノエルを知ることができたのは、雅久が掃除の時に見ていたノエルのインスタが見えたからでした。

雅久がノエルに片思いしていることはもちろん知りません。

 

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