多久さんの事件簿 【霧ヶ峰に温泉旅行編②】4

February 18, 2018

多久さんの事件簿【霧ヶ峰に温泉旅行編②】4

バーン。

ハッ。

マージンは伸と同じ部屋に寝ていたが、目を覚ました。

「花火‥?」

マージンはスマホを持ち、カーテンを開けた。

 

 

「はあはあ‥準備はいいか。」

「はい。多分大丈夫です。」

 

「電話だ。もしもし。こちら山谷です。」

―まず、祈りの言葉を唱えてもらおう。

 

電話の声は修正されていた。

 

「えーと、我は太陽の風使いなり、子は雲の水使いなり。」

―はは。よろしい。こちらの計算だと、あと10分少々だ。

 

「わかりました。」

―何か質問は。

 

「今日で‥何人目でしたっけ?」

―10人目だ。そろそろいい火が起きる。

 

「いつ‥終わるんですか。」

―子が憎む者全てを殺した時だ。すまん、もうすぐヤツが来る。

3分後、点火してくれ。

 

 

3分後。2人は点火した。

しかし、呼ばれた男である斉藤は車の中から出なかったため、花火を見なかった。

 

「しくじりおって。」

電話の男はおじいさんだった。しかも見た目はまあまあまともである。

 

斉藤は逃げた。

途中の道で、また襲われたが、逃げ延びた。

 

「くそ。9人か。1人足りない。」

おじいさんは朝焼けの中でつぶやいた。

 

犯罪というのは、途中までしてしまうと、やめられないものである。

 

 

「はぁー。」

日比野は大きなあくびをした。

「こんなにぐっすり眠れたのは久しぶりです。」

 

「てか俺、この前も同じこと言いましたよね?‥もしかしたら高選手と一緒ならよく眠れるのかもしれないです。」

高選手は、鼻で笑った。

 

「お前って、適当な男だよな。」

「え‥なんでですか。」

 

「はぁ~。」

高選手は、洗面台に向かった。

 

 

「よし!!今日は、スーパードッジボール大会を行う!!」

ヤマが叫んだ。

「おおう!!」

みんな本気だった。

審判は、大ちゃんと伸だ。

「あれ‥あの外国人は‥。」

「撮影だって。なんかニンジャ映画らしいよ。」

 

マージン普通の人だが、参加することになった。

マージンは超高速でボールを回した。

スポーツ選手達は、自分の持ち技でボールをよけたり、投げたりした。

 

最後は多久とヤマが残った。

1vs1のゲームが始まろうとした時、ドッジボール大会が行われている駐車場の下の小川で、映画撮影をしていた外国人が何か叫びながら出てきた。

 

「殺人だ!!」

普通の服を着たダミエルと、ニンジャの服をきたロニーがいる。

ロニーはブルブルと震えていた。

「ええっ。」

トウナは険しい顔で降りた。他の者も後に続いた。

 

ブルーシートをめくると夫婦の遺体があった。

「伸ちゃん‥この人達‥。」

「昨日、俺達が話した人達だよね。」

 

ダミエルとロニーは泣いたり、ブルブルと震えていたが、やはり大物俳優なので、数分後には、ホームズとワトソン博士のように、現場検証を始めた。

 

数分後、警察やトーロ達が来た。

 

夫婦は猟銃で殺害されたようだ。

その様子を、遠くの高い木の上から、山賊達が様子を見ていた。

 

自分達の世界だけで殺人をしても意味はない。

世間に事件を知らせなければ自分達の存在意義がないと感じたため、わざとそこに遺体を置いておいたのだった。

 

昨日、トウナと伸が立ち寄った駐車場ではなかったが、ドッジボール大会が行われることは調べて知っていた。

旅館の女将がグルだったのだ。

いずれ、トーロか若手従業員のことも殺すつもりだった。

 

 

トウナは高い木にとまっている山賊達に気づいて、じっと見た。

伸も大も気づいたが、目をそらした。

 

ダミエルとロニーは、トーロや若手従業員に話を聞いた。

そして、ダミエルは言った。

 

「犯人は、この中にいる。」

 

みんな、「嫌だなぁ」という顔をして、目をふせた。

 

 

みんな、ダミエルとロニーの所へ集められた。

「君達は、有名人だ。」

みんな、うつむいたりした。

「だからって、殺人は許されることじゃない。」

「いやいや、俺達は何も、してないですよ。」

岸道さんが言うと、ロニーが「シー。」とした。

 

「一人一人と話がしたい。」

「彼は刑事なのか?!」

「彼が第一発見者だ。」

ロニーが言った。

 

「やっていませんよ!!」

ダミエルとの取り調べで、ヤマが叫んだ。

 

「マイクル!!マイクル!!」

ダミエルが、大柄の黒人俳優を呼んだ。

「隣にいてくれ。僕が襲われないように。」

「分かりました。」

マイクルは答えた。

 

次々と取り調べをしていった。

トーマの取り調べの時、ダミエルは言った。

「有名人以外も混ざっているが、君も‥そうなのか?」

「いえ、一応オリンピックに出ました。」

 

マイクルがこそこそ言った。

「そうか!では、サインをもらっておこう。」

ダミエルは手帳を渡した。

マイクルは静かに首をふりながら、にっこり笑った。

 

「念のため‥念のためだ。」

ダミエルはニヤリと笑いながら、固くうなずいた。

 

もうすぐトウナの番になる時、トウナが出口に向かって走りだした。

「おい!!」

 

ロニーがダミエルに、トウナのことを伝えると、ダミエルは言った。

「やつは後回しだ。」

 

「トウナ!!」

多久やマロも叫んだが、ドタバタの中で、多久のスマホがなった。

 

「七からだ。」

 

「もしもし。」

―あっ、多久ですか。僕です。

「あっ、うん。」

―霧ヶ峰に行ってるって聞きましたよ。なぜに僕を誘わないんですか。

「かぁぁ~忘れてた。ごめん!」

―ごめんじゃすまされませんよ。

 

「マロ!七から。」

多久はマロに電話を替わった。

「あ~七さんですか。俺です。」

―その声はマロですね?

「うん。そう。誘わないでごめん。」

―いやいいですよ。ところで、電話したのは、多久と俺の師匠である、小林さんが、霧ヶ峰で行方不明になったからなんです。

「え‥小林さんが?」

―はい。もしも会ったら、早くお家に電話するように伝えてくださいね。

お嬢さんが心配してますから。

でも‥行方不明になったのは2週間前だから‥もし遭難ならもう‥。

「えっ遭難?」

はい。だって、そうとしか、考えられないでしょう?

「実は今朝‥こっちで殺人事件があったんだ。」

―そんな。‥ええ、じゃあ僕もそちらへむかいますよ。

「いや、無理すんな。‥うん、じゃ。」

マロは電話を切った。

 

「お前達の師匠のさ、小林さんが、霧ヶ峰で行方不明になったんだって。」

「え‥小林さんが?そんな!!」

「うん。」

 

外は雲が出て、暗くなってきていた。

女子旅の可愛い女の子達や、家族旅行の家族は、心配そうな顔をしている。

 

旅館内は安全なので、みんな旅館で、トーロがつけた映画や、卓球、温泉で過ごした。

 

七は霧ヶ峰に向かうことにした。

 

トウナは、軽い崖を登っていた。

今は午後2時で、どんよりした空気である。

 

 

 

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