リオと魔法の国

April 10, 2018

リオと魔法の国

西暦8000年には、魔法族と特別な能力をもたない人間が存在していた。

魔法国はマトリアシルという名前の国で、魔法族はそこに集まり生活していた。

でも、マトリアシルには、人間も少しは住んでいる。

 

マトリアシルは、現在の中国の場所にある。

マトリアシルに一番近い人間の国は、ウイストンという国で、現在のロシアの場所だ。

 

二国は戦争にならないように契約を交わしていた。

お互いの国王夫妻の子供を交換し、攻撃された時は殺すという契約だ。

「人間の愛の力で育てていただければ、私達の子供でも、魔法力は現れません。」

アダンは膝まづいた。

 

マトリアシルの城は、シートルアスラという街にある。

マトリアシルの女王の名前はフラン・ライラトンといった。

フランには、全ての魔法の術を止める能力がある。

でも、大体は、夫の黒魔術師、アダン・ライラトンがマトリアシルの指揮をとっていた。

2人は仲が悪いと噂されている。

「この子を、アドニスに預ける。」

「アドニスに?占いが出来ないのに。」

アダンが言うと、窓から月を見ていたフランが、振り返って言った。

 

「ああ。でも、アドニスは、電流のペガサスだ。電流のペガサスは、マトリアシルに1人しかいない。」

 

アドニス・ロジスタンは、灰占いの魔法使い、サシム・ロジスタンと、妖精のペラ・ピトウの息子である。

愛の調べの最中に、サシムの灰が飛び、遺伝子操作され、電流のペガサスに変身出来る能力を持って生まれてきた。

愛の調べというのは、魔法族のお産のことだ。心と心が完全に通じ合った時に、目に見える愛の調べが起こる。

 

大人になったアドニスは、マトリアシルの警察官になったが、仕事がうまくいかず、落ち込んでいた。

ブロンドの歌手、ロリーの写真が掲載されている新聞を持った、サシムが慰めていた時、アダンが、リオを抱いて現れた。

「アドニス。」

「アダン様。」

「その子は?」

「ウイストン国王夫妻の子供だ。戦争をしないために、俺とフランの娘と交換した。」

「そんな‥。」

「アドニス。この子を育ててくれないか?」

「僕が?」

「ああ。電流のペガサスは、マトリアシルに、アドニスしかいない。」

「アドニス。俺も手伝う。」

サシムも言い、アドニスが、ウイストン国王夫妻の息子を育てることになった。

 

ウイストンの城は、ウイズキスにある。

マトリアシル国王夫妻の娘である、ナターシャ・ポリーは、城の使用人夫妻に育てられることになった。

 

ウイストンの国王夫妻の子供、リオ・ロジスタン。

リオは何も知らされないまま、自分を魔法族だと信じ、マトリアシルにある森、ミミハムハーミンで暮らしていた。

時々、サシムお爺ちゃんと、ペラお婆ちゃんが訪ねてくる。

 

「あらあら。今日、お母さんは?」

ペラお婆ちゃんが聞いたので、リオは、アドニスを見た。

「母さん。シーアは、リオの母親じゃない。リオの親は、リオが赤ん坊の頃、亡くなっただろう。」

「ああ‥そうだったわね‥。」

ペラお婆ちゃんは、残念そうに、ロリーの写真を見た。

 

シートルアスラの城の方位磁針が動いた。

アダンは手をかざすと、アドニスの影が現れ、消えた。

 

「じゃあ、行ってくる。」

アドニスが仕事に向かうため、家を出ると、アダンがいた。

「アドニス。」

「アダン様。」

「今日、城の方位磁針が君を指したんだ。つまり、次期国王は、君の可能性がある。」

「僕が?」

「電流のペガサスは、マトリアシルに君しかいない。」

 

「考えてみてくれ。」

アダンは消えた。

 

サシムが家から出てきた。

「どうした?」

「今、アダン様が来て、次期国王が僕だって。」

「アダン様は、お前を気に入っておるな。」

サシムが言い、アドニスは笑った。

「行ってきます。」

アドニスはペガサスに変身して、行ってしまった。

 

ミミハムハーミンは魔法の森だった。雨をグラスにためると、その人の気分にそった飲み物になる。リオは、大体、炭酸入りの紫蘇ジュースになった。

 

アドニスはペガサスに変身し、リオを背中に乗せて、空を飛び回った。

 

そこは魔法の森だった。

妖精族はとても優雅で美しく、雲にのって生活していた。飛ぶ時は、雲に乗る。

アドニスの彼女も、妖精族でシーア・ウェルという。

 

パンダ族もいた。

普段は、人間と同じ見た目で魔法力は弱いが、本気になればパンダに変身し、敵を倒してくれる。リオの親友バップ・ドナトゥもパンダ族だ。飛ぶ時は、箒である。

 

カラス族。魔除けと予知能力があり、飛ぶ時はカラスになる。

 

魔術師と魔法使いの違いは、移動の仕方である。

魔法使いは、飛びたい時に、どこからともなく箒が飛んでくるが、魔術師は瞬間移動できる。魔術師は占いも得意だ。

正直言うと、魔法族の中で一番弱いのは、魔法使いである。

どの魔法族も、魔法が使えるからだ。

 

魔法族達はみんな、魔法の杖なしでも魔法が使える。

でも、杖が欲しい時は、マトリアシルの中心にあるゲーテの木に行く、

魔法族が枝に触ると、杖になるのだ。

 

アドニス、シーア、リオは、リオの友達のバップとフィース・トラインとともに、ゲーテの木に行くことになった。

ゲーテの木の近くまでは、電車や空を飛んで行けるが、最後は30分ほど歩かなければならない。

「もうすぐゲーテの木だ。険しい道だが、ついて来い。杖が欲しいならな。」

アドニスが、息を切らしている3人の子供達に言った。

 

「わあ!!」

金色の鳥がリオの頭上を通った。

 

「Golden Hawkだわ。」

「ああ‥。カラス族と妖精の突然変異で生まれる魔女‥。」

「ゴールデンハウクは、心が濁っている者には見えないの。」

「みんな、見えるな?」

アドニスは聞いた。

 

金色の鳥は、リオ達の頭上を優雅に飛び、魔女に変身した。

「こんにちは、みなさんはゲーテの木に行くの?」

「ええ。子供達が杖を欲しがっているので。」

「そう。いい杖が見つかるといいわね。」

魔女はまた、ゴールデンハウクに変身して行ってしまった。

リオ、バップ、フィースは感動した。

 

ゲーテの木に着いた。

「わぁ~すごい。」

 

ザッ

リオ達が振り向くと、木の中から、中東系の茶金髪の男が降りてきた。

 

「こんにちは。木の中で、キツツキが巣を作っていたんだ。」

 

「この木の中に巣を作るのは危険だからね。」

「可愛い!!」

 

「僕は、ゲーテの木の番人の、グラソル・ギディオン。」

グラソルは、緑のツタがからまった杖を出した。

どうやら、腕時計の秒針が、杖に変身するようだ。

 

「みんな、いい杖が見つかるといいな。」

「どこに杖があるんですか?」

「ああ、枝に触れ。魔法力があるなら、杖になる。」

 

「僕は、この子達を、安全な場所に置いてくるから。」

グラソルは箒でどこかに行ってしまった。

 

シーアが木の枝に触って、杖をもらった。

黒色の杖だが、「Adniss」と書いてある。

「アドニス?」

シーアが杖を見せると、アドニスは困ったように笑った。

 

「よし、じゃあ誰からいく?」

アドニスが聞くと、バップが答えた。

「俺。」

 

バップはパンダに変身して、木に登った。

「やったー!」

バップは、緑と茶色の杖をもらった。

 

「次は俺。」

フィースは目をキリっとさせた。

「はい。」

シーアが作った雲に乗って、上まで行き、紫色の杖をもらった。

 

「じゃあ次はリオだ。」

「うん。」

 

ちょうどグラソルも帰ってきて、リオを見守った。

 

「リオ頑張れー!」

リオは木に登って、何度も枝に触ったが、杖にならず、暗い顔で戻ってきた。

 

「どうした?」

アドニスが聞いても、リオは首を横に振っている。

 

 

グラソルが手を叩いた。

「大丈夫。よくある。」

 

「それに、魔法族はみんな、杖なしでも魔法が使えるだろう。」

「いや‥。リオには、魔法はまだなんだ。」

「ああ‥。そうだったか。」

グラソルは、残念そうにした。

 

帰り道、バップとフィースは、ワクワクと切なさで微妙な感じだった。

リオは、バップとフィース、アドニスとシーアの間を1人で歩いた。

 

夜、アドニスはたき火をした。

「僕の魔法は見つかるのかな?」

リオが聞くと、

「それは急がない方がいい。」

アドニスが答えた。

「明日は忙しい。グリータ達がまた悪さをしそうだから…。」

グリータは魔法コウモリだ。

グリータ達は、アドニスにいたずらを仕掛けるのが好きなので、今も影から様子を見ていた。

アドニスはたき火を消した。

 

「行ってきます。」

「いってらっしゃい。」

リオは、森の学校に行った。

大体、習うことは、人間の学校と変わりない。

 

アドニスが出勤するため、ペガサスに変身して、空を飛んでいると、グリータ達が、アドニスの背中に止まった。

アドニスが大きく動いて、グリータ達を追い払ったが、また飛んできて、アドニスの邪魔をした。

1匹のグリータが、アドニスの気を引くために、森に火をつけようとした。

「ダメだ!!」

アドニスは、空中で人間に変身し、雲に乗った。

アドニスは妖精とのハーフなので、雲に乗って飛ぶことも出来る。

 

突然、箒に乗った魔法使いが来て、そのグリータを捕まえた。

「トム。」

「やぁ。」

トムは、アジア系の男の魔法使いだ。

「ありがとう。」

「いいんだ。」

トムは、箒に立ち乗りし、行ってしまった。

 

アダンの占いは、凶が続いていた。サシム爺さんの灰占いもそうだ。

灰占いは薬草を灰にいれ、放たれた火花で占う。

サシムは、アダンに言った。

「災いがおこる。」と。

 

 

「杖があると便利だ。」

フィースは言った。

 

「リオにだって、もうすぐ魔法が見つかるさ。」

バップは、リオに言った。

「うん‥。」

「アハハ!」

フィースは、紫や青や黄色の雲煙を出して、遊んでいる。

 

そして、リオとバップとフィースは冒険しすぎてしまった。

マトリアシルから出てしまったのだ。

道に迷ってしまい、一軒の家を見つけたので、ノックすると、銃を持った人間のおじいさんが出てきた。

 

「すみません、僕達、道に迷ってしまって…。」

「お前達、マトリアシルの者か・・?」

おじいさんは中に入れてくれた。

「無事でよかった。ここいらは、ウイズキスの兵士が巡回しているからな。捕まればすぐに牢屋にいれられてしまう…。」

「ウイズキス?」

「知らないか?ウイストンの首都だよ。魔法族の子供は行かない方がいい。」

 

次の日、三人はおじいさんに礼を言い、マトリアシルに戻ろうとした。

しかし、ウイズキスの兵士に見つかってしまう。

ゲーテの木の近くで出会った、ゴールデンハウクが、助けに来てくれたので、バップとフィースは逃げるが、リオは、ウイズキスに連れていかれてしまう。

 

ゴールデンハウクは、アドニスの家に行った。

「はい。」

アドニスはドアを開けた。隣にはシーアがいる。

「こんばんは。」

「君はあの時の‥。」

「私の名前はホリー・ハービード。金髪の男の子が、ウイズキスの兵士に捕まったわ。」

「そんな‥!!」

 

ウイストン女王、サリル・ジョアルスタンと、家来は話していた。ちなみに、旦那であるジョジオは、もう死んでいない。

 

「マトリアシルの子供を捕らえただと?どうでもよい、殺せ。」

「それが、パトリス様とアズラ様のご子息だったようで。パトリス様が城にいらっしゃっています。」

「ふん‥。通せ。」

リオ達を助けたお爺さんが来た。

 

「サリル。あの子を助けてくれ。」

「引き換えに何かくれるというのか?その子供を殺しても、マトリアシルは攻めてこない。」

「この通りだ。」

パトリスは膝まづいた。

「国王夫妻の子供を交換して、育てれば、攻撃しないだと?馬鹿馬鹿しい。前国王の妹の息子など、どうでもよい。スーラ、来い。」

黒髪の王女が来た。

 

すると、パトリスが魔術を使い、スーラを金縛りにした。

「私の息子を釈放しろ。」

「くっ‥貴様、魔法使いか。」

「ああ、そうだ。」

 

リオは、釈放された。

 

リオはよろよろしながら、ウイズキスを歩いた。

ドン!!

「しっかり前を見ろ!!」

兵士にぶつかり、怒られてしまう。

「ごめんなさい‥。」

 

その様子を見ていた、ナターシャが、リオに話しかけた。

「兵士にぶつかるなんて、あなた、何考えているの?」

「知らなくて‥。僕、マトリアシルから来たんだ。」

「そうなの?私は、ウイストンから出たことがないの。」

 

「私の名前は、ナターシャ・ポリー。あなたの名前を教えて。」

「僕の名前は、リオ・ロジスタン。」

「リオ?珍しい名前ね。あなたって、魔法使い?」

「ううん、まだ違う。」

リオは、ナターシャと街を歩き、少し恋心が芽生えてしまう。

 

アドニスが迎えに来た。

「リオ!」

「アドニス!」

「大丈夫だったか。心配したぞ。」

2人はハグをした。

 

リオは、振り向いて言った。

「この子は、今日友達になった、ナターシャ。」

「ナターシャ、リオをありがとう。」

「いいの。私、買い物を頼まれているから、もう行くわ。」

 

街で、パトリスがリオに声をかけた。

「リオ!!」

「お爺さん‥。」

「息子よ‥。」

パトリスはリオを抱きしめた。

 

「そうなんですか?」

アドニスが言った。

 

「ああ、そうだ。すまない、リオ。」

「え‥?」

「昔の契約だ。マトリアシルとウイストン。お互いを攻撃しないために、国王夫妻の子供を交換したんだ。だけどお前は、あの傲慢な女の息子じゃない。私と、私の妻だった女性、アズラの息子だ。アズラは人間だったが、もうこの世にはいない‥。」

「そんな‥。」

 

「では、フラン様とアダン様の子は、どこにいるんですか?」

「女王の使用人夫妻に育てられている。」

 

アドニスとリオが、その家を見に行くと、ナターシャが花に水をあげていたので、リオはショックを受けてしまう。

「ナターシャが‥?」

 

「リオ?」

家に戻った2日後、アドニスはリオの部屋を覗くと、リオはいなかった。

リオは、ナターシャを助けるために、またウイズキスに行ってしまったのだ。

そして、捕まり、人質にされてしまった。

 

「スーラ、首は、まだ痛むかい?」

「はい、痛みます、お母様。」

「ふん、私の娘を傷つけるとは、許せぬ。兵を集めよ。マトリアシルなど、滅ぼしてくれるわ。」

サリルが言った。

「ミサイルの準備をしろ。」

 

その様子を、ゴールデンハウクとなったホリーが窓から見ていた。

ホリーは飛び、カラス族に知らせ、カラス族は大群となって、皆に危険を知らせた。

 

「大変だ。ウイストンが攻めてきた。」

アダンは、フランに言ったが、フランは、ぼんやりと文章を浮かし、眺めている。

この文章は、王になった人の下に集まってくる物で、マトリアシル国民の声だ。

 

「これから城に行くが、一緒に来てくれないか?」

フランはため息をついただけで、何も言わない。

 

フランは、手を動かし、キラキラしたものを出した。

 

「何をした?」

「ミサイルを止めてあげたわ。」

「‥そうか。ありがとう。じゃあ、俺は行ってくるからな。」

 

まず、アダンは瞬間移動し、ナターシャの家に行った。

ナターシャの家には、ウイストンの兵士達が押し寄せ、ユナとベイが扉を守っていた。

「一緒にマトリアシルへ。」

アダンは、3人をアドニスの家に連れて行った。

「アドニス、シーア、あの事を。」

アダンが言うと、シータはうなずいた。

 

アダンは、マトリアシルの100人の部隊を、一気にウイズキスに瞬間移動させ、戦いが始まった。

 

「あの事って‥?」

不安になったナターシャは聞いた。

「実は、あなたは‥。」

シーアは言いかけて、口を閉じた。

ユナが口を開いた。

「ナターシャ、あなたは、私達の本当の子供ではないの。マトリアシルの王様と女王様の子供です。」

「そんな‥。」

「今、ウイストンからナターシャと引き換えに、マトリアシルに来ていた子供が、サリルに捕まってしまっているんだ。」

アドニスが言った。

 

「じゃあ、私の代わりの子は誰‥?」

「その子は、リオだよ。」

 

アダンは、城に来た。アダンは頭をさげ、リオと引き換えに、自分を殺すように頼むが、リオは殺されてしまう。

人々をかきわけ、パトリスが現れる。

 

「私の息子をよくも‥!!」

怒り狂ったパトリスは、杖で突風を作りだし、ウイズキスの兵士達を吹き飛ばした。

窓を開け、ウイズキスの街にも、突風を吹かせた。

ウイズキスの、住民の家の屋根は、吹き飛ばされていく。

 

「うう‥うう‥。」

サリルは苦しんでいる。

「パトリス!!」

アダンが止めに入ったが、止めない。

 

「お止めさない。」

遅れて到着したフランが、パトリスを止めた。

 

パトリスには、伝説の能力があった。人の傷を自分のものにするという能力だ。

パトリスが光を出し始めたので、フランが首をふった。

「ダメです、パトリス。他人の傷を、自分の傷にする能力は、この100年間、あなたしかいない。使ってはなりません。」

 

「今、使わず、いつ使う。息子を助けるためだ。」

リオの傷を自分のものにし、パトリスは死んだ。

フランは、パトリスの頬に触れたが、パトリスは生き返らなかった。

「お父さん!!」

リオや、魔法族たちは泣いてしまう。

 

ナターシャは、ユナとベイと、シーアの雲に乗って、ウイストンに戻って来た。

アドニスはペガサスに変身し、電流の力で、屋根を直した。

 

「うう‥。」

サリルは泣きながら、二度とマトリアシルを攻撃しないとサインした。

攻撃しようとした時は、城が破壊されるという、魔法がかけられてしまったのだ。

 

「やはり、マトリアシルの王は、フラン様です。」

「そうか。でも、いずれは頼むぞ。」

アドニスはアダンに頭を下げた。

 

ナターシャは、リオに言った。

「あなたのお父さんは、あなたの傷を、自分の物にして、亡くなった。」

「うん‥。」

「あなたのお父さんは、立派なのね。」

 

「ナターシャ。君と僕は、ずっと入れ替わっていた。本当は、君が、マトリアシルの子供なんだ。」

「でも、私は、魔法の力なんてないし、お父さんとお母さんと、まだ、ここで、一緒に暮らしたいから。」

 

「リオ、帰るぞ。」

アドニスが言った。

 

「うん、ナターシャ、またね!」

「リオ、元気でね。」

リオはアドニスに乗り、マトリアシルに戻った。

 

 

シーアは、先に、アドニスの家に戻っていた。

『10年も付き合って、子供ができないなんてね。』

シーアは、「Adniss」と書かれた、黒い杖を折った。

 

「シーア!」

外にいる、茶髪で、少しだけ太った男が声をかけた。

「はーい!」

 

『さようなら、アドニス。愛してたわ。』

シーアは、置手紙を残した。

 

「やっぱり、これね。」

シーアは茶色の杖を出した。

 

「ごめん!行こうか。」

「うん。君の好きな所に。」

 

2人は手をつなぎ、シーアの雲で、飛び立った。

 

 

家に帰ったアドニスは、手紙を読んで、切なそうにした。

リオは気づいたようで、手を洗いながら、振り向いた。

 

「大丈夫?」

「ああ。」

 

「リオー!!」

バップとフィースが、外に来ていた。

 

『シーアが、出て行っちゃったんだ。』

『シーアさんが?』

『そんな‥。』

 

アドニスは、手紙を持ち、外に出て、遠くを見つめた。

 

アダンは、水晶玉に手をかざし、アドニスの様子を見ていた。

「シーアと別れたか。フランに知らせないと。」

 

「フラン。」

 

アダンが、フランの部屋に入ると、誰もいなかった。

アダンは首をかしげ、城の外に出た。

 

すると、フランと茶髪の男が、ベンチに座って、親しげに話していた。

 

「フラン。」

 

「あら、バレちゃったわね。」

「その男は誰だ?」

「イヨーナ・ブラウス君よ。」

 

「ども。」

ブラウスは、帽子のふちに触り、挨拶した。

 

「ナターシャは、あなたの子供じゃないの。ブラウス君と私の子よ。」

 

「そんなこと、あるわけがない。愛の調べは、俺達の目の前で起こったんだぞ。」

 

「いいえ、違うわ。愛の調べが起こった時、ブラウス君は、岩陰に隠れていたの。」

 

「そんな‥。」

 

「本当です。俺が人間だから、フランが、愛の調べを止めていたんです。フランには、全ての魔法を止める能力がある。」

「でも、例外もあるわ。」

フランは、ブラウスに優しく微笑んだ。

 

「大変だったわ。だって、ブラウス君と会うたびに、愛の調べが起こりそうになるんですもの。でも、ある日、あなたが現れたの。」

 

「そんな‥。」

 

「今まで騙していて、ごめんなさい。」

 

フランは、離婚の契約書を出した。

 

「ここにサインを。」

 

「それから、これもね。」

 

フランは、王の退任書を出した。

 

「次の王は、あなたよ。アダン。」

 

「アドニスには、早いわ。」

 

アダンはうつむいた。

 

「首相、頑張ってください。」

ブラウスが言った。

 

「さようなら。」

フランは、ブラウスの背中をさわり、2人で雲に乗って、飛び立った。

 

 

「でも、やっぱり、アドニスだろう?」

アダンは、黒い指輪が沢山ついた手を、空にかざし、空に、六角形の星の雲を出した。

 

アドニスは、王になることになった。

戴冠式には、リオ、バップ、フィースも参列した。

 

アドニスは、城に住むことになったので、ミミハムハーミンの家には、サシムお爺ちゃんと、ペラお婆ちゃんが、引っ越してくることになった。

 

リオ、バップ、フィースは、リオの部屋で、マトリアシルの地図を広げていた。

 

「どうだ?」

アドニスが来て、聞いた。

 

「何?」

 

「いたずらするなよ。俺がいないからって。」

「大丈夫。」

 

「アドニスって、この国の王でしょ?」

「一応な。でも、マトリアシルは、俺の物じゃない。」

 

「ふーん。」

「じゃあ、誰の?」

 

「みんなのだ。」

 

3人は、いたずらっぽく笑った。

 

「いたずらするなよ。」

 

「する。」

 

「ダメだ。」

3人は、家を飛び出て、箒に乗った。

リオには、魔法力がないので、フィースの後ろに乗った。

 

アドニスが来て、ペガサスに変身し、リオを背中に乗せた。

 

壮大な森の上を、4人は飛んで行った。

 

【Matriacil】

【魔法の国の子供】

【The Fairy dance】

【Errand of the sky】

【Goodbye World】

【Adan】

【Adniss】

【Beautiful Dreamer】

by shino nishikawa

 

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