多久さんの事件簿【マージン、ソープ嬢になる編】24

December 14, 2018

多久さんの事件簿【マージン、ソープ嬢になる編】24

マージンは、多久とマロとリンチルとナツの親友である。

ある日、5人はカフェで会っていた。

マージンがトイレから戻ると、4人はボーリングについての話をしていた。

 

『なんでさ、俺ばっかり、こんなすごい人達に囲まれて生きないといけないの。

俺は、何も出来ないっていうのに。』

マージンはついに泣きだしてしまった。

 

「どうしたの?突然。」

「なんでもない。」

「いや、急に泣きだしたら、誰だって心配するよ。」

「あんた達と俺、合わないから。」

「ええ?だってさ、今まで楽しくやってきたじゃん。」

「あのさ‥、俺、よければバスケ教えてあげようか?」

「いいよ、今更。恥ずかしい。」

「別に、恥ずかしいことじゃないよ。」

 

「俺は、何も出来ない。漫画を描いてみろって言われたけどさ、

悌さんと亮さんと知り合いなのに、うまく描けるわけないじゃん。」

「その2人と、比べない方がいいんじゃない?」

「でもおじさん2人は、俺の年で、もう漫画10巻出してたんだから。」

 

「何もかも、経験ですよ。」

多久は、マージンの手をさわった。

「ああっ。」

マージンは消えた。ソープ嬢になる体験をするのだ。

 

「これから、ソープ嬢になってきてください。

夢から覚めた時、きっと成長していますよ。」

 

「分かった。でも‥一体なんだよ、これ。」

「僕の霊能力です。」

 

 

ドンッ

「本当に出来るのぉ?」

ヤクザ風のハゲ親父が、セリに聞いた。

「うん。」

「じゃ、やってみて。」

「えっ?何ぃ?」

「俺を客だと思ってさ。」

「うん。」

 

「ダメ。やられるんじゃなくて、やるんだから。」

「うん、分かった。」

セリは泣いたが、やめなかった。

なぜ、セリがそこまでに、性快楽にのめり込んでしまったか。

理由は簡単だ。バカだからである。

脳が発達していないから、想像ができない。

愛し合う者どうしでは、アブノーマルなプレイで満足することはない。

アブノーマルなプレイをするなら、夢に限る。

セリは、夢が見られないほどに、脳が発達していなかった。

 

セリは、その男とリハーサルして、男は悦というものを、人生で初めて味わった。

セリはそれほどまでに、セクシーでキュートだった。

セリは自分が求める悦も、その男から得られた。

 

「セリ、初めてのお客さんだよ。」

「うん。」

初めてのお客は60代くらいの人だった。

セリは、契約どおりこなし、男もおどおどして、帰っていった。

セリも男も、自分が思った悦は得られなかった。

セリは嗚咽し、何度も口を洗った。

 

「もっと、若い人回してよ。」

「ええ。客は選べないよ。」

 

セリはため息をついたが、風俗をやめなかった。

ステージで肌を見せるより、すごく近くで見せた方が、アイドルらしく思えていた。

それは、普通、恋人に抱く感情である。

セリの脳は、そこまで回路が発達していなかった。

 

でも、セリはすごく可愛い。

週に二度。

4カ月続け、セリは多くの男を虜にしていった。

 

セリが始めて、1カ月目のことだった。

田家(たや)という男が客として来る。

それは、セリの、本当の相手だった。

田家に初めて会ったセリは少しとまどったが、いつも通り接客した。

「一緒に、お風呂入ります?」

「いや、いいよ。」

田家は緊張していた。

田家の体はすごい。

田家は、3次リーグのバスケ選手だ。

セリは小さく息をのんだ。

 

お風呂から出た田家は、セリをお嬢様扱いしてくれた。

「大丈夫?酷いことされてない?」

「うん‥。」

 

「連絡先、交換しよ。」

「えっ、お客様とはちょっと。」

「え‥。ダメなの?」

「ああ。うん。」

セリは連絡先を交換した。

 

『今日大丈夫だった?(^^)』

『うん*ありがとう( *´艸`)』

 

『セリ、本当可愛い^^ 俺たち、つき合おうぜ。』

『えええ~(*´Д`)』

「嬉しい。」

 

それでも、セリはまたやってしまう。

犯罪というのは、手を出すと、なかなかやめられないものだ。

人を半刺したのではあるまいし、風俗ごとき、やめればいい。

 

田家は、セリにもっと、強引になるべきだった。

田家は、強引ではない。バスケにも、セリにも。

だから、強くなれない。

何事も、出来ることなら、傲慢に、強引に行った方がいい。

 

田家が強引でない理由は、愛情不足と栄養不足である。

 

セリが週2回、4カ月で稼いだお金は、800万である。

セリは、高級女になった。

ぼーっとしていた田家は、バイト先のラーメン屋も、3次リーグのバスケチームも、

クビになりそうになった。

 

「あの子、大丈夫かな?」

「さぁぁ。別にいいんじゃないか。」

たわいのないチームメイトの会話から、田家はセリのことを思い出した。

 

田家は風俗店に電話し、セリの順番をとった。

「絶対、俺の番がくるまで、セリに、客入れないでね。俺‥、セリの彼氏だから。」

「う、うん。分かった。」

どんどん美しくなっていくセリに焦っていたオーナーは、了承した。

 

「セリ。」

待ち合わせ場所に現れたセリを、田家は抱きしめた。

「はいはい。」

セリは少し笑って、田家を離した。

 

「いつもの場所、行く?」

「いつもの場所って?」

セリは少しだけ、期待してしまった。

でも、田家は見てしまう。

セリに愛撫された老人が、田家との様子を見に来ていたのだ。

 

「行こう。」

田家はセリの手を引いた。

「俺が払うから。」

田家は財布を出した。

いつもは2千円くらいしか入ってないが、今日は無理して4万持ってきた。

 

ホテルの部屋の鍵をしっかりとかけ、田家はセリを抱きしめた。

「もう、こんな仕事やめろよ。俺も、頑張って、働くから。」

 

その後は、田家は、まるでロマンス映画のように、

ベッドの上で、セリの両手を持ち、大きな声で叱った後、愛の行為をした。

叱った内容までは聞こえてこないが、

「俺は、お前のこと、本気で愛してるんだからさ!!」

この言葉は、はっきりと聞こえる。

 

セリは、田家に同伴してもらい、仕事をやめた。

セリは、客だった男たちからストーカーされ、街を出ることにした。

両親は何も知らない。

セリは整形をした。

整形をすることは、田家は反対したが、セリが泣いたので、OKした。

 

整形をしたセリを、田家はお見舞いに行った。

セリは包帯でグルグル巻きにされ、田家は涙ぐんだが、

手を握ると、握り返してくれたので、

「えっ、俺って分かるの?」

「うん‥。」

「セリ、愛してる。」

 

整形をしたセリを、田家は残念に思ったが、田家も整形をすることにした。

 

 

田家は、両親からの愛情不足で育った息子だったが、セリに対して愛情深くなり、

仕事の方もうまくいった。

なんと、1次リーグから、スカウトがきたのだ。

セリとは、遠距離恋愛になるが、最低でも1カ月に1度は会うことに決めている。

セリは編み物を始め、性にのめり込むことはなくなった。

毛糸をさわると、ストレスが解消され、リラックスするものだ。

編み物は、指先の体操になるので、体や脳にもいい。

 

「俺たちさ、前の方がよかったよね。」

夜のハグの時、田家は必ず言ってしまう。

「それ、どうゆうこと?」

「だから、整形しない方がよかったよね。」

田家は蹴られてしまった。

 

 

「これ、いい話じゃん。」

マロは言った。

 

「久しぶりにいい夢みたよ。俺さ、この話を、漫画に描こうかな?」

マージンが言った。

「それ、エロ漫画になるね。」

 

「まぁ、俺たちも、マージンの漫画を見てあげるからさ。とにかく漫画を頑張って描いてみろよ。」

「わかった。」

 

多久、マロ、リンチル、ナツは、ケーキをほおばるマージンを見守った。

 

 

 

 

 

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