戦友【リグウ】2

March 16, 2019

戦友【リグウ】2

リ・グウという人物は、大変な美青年で、韓国の王子だった。

でも、日本皇室に、韓国王朝は、権力を奪われてしまう。

李大王は、韓国を守るため、リグウを日本に行かせる。

 

リグウは礼儀正しく、陸軍大学校を卒業した。

 

政治に参加する権限はなかったが、日本の公族という地位を得ていたため、韓国を守るために、自分に出来る限りのことをしようと決めていた。

 

 

終戦間際、リグウは、広島に置かれた第二総軍の教育参謀中佐として働いていた。

リグウの右腕である、吉成中佐が聞いた。

「リグウさんって、病気にかかったことはあるんですか?」

「うん‥幼い頃は、よく麻疹にかかっていた。」

 

「麻疹?麻疹ってそんなにかかるもんなんですか?」

「うーん‥。」

リグウは考え込んだ。

 

「吉成さーん!」

別の隊員が呼んだため、「はーい。」吉成は行ってしまった。

 

はあ‥

リグウはため息をついた。

リグウは何となく日本が好きだった。

韓国に帰れば、きっと大変面倒な任務が待っている。

出来ればもう、韓国には帰りたくないと思った。

 

1945年8月6日。

馬のロタに乗って出勤途中、ぞっとするような戦闘機の音が聞こえてくる。

雲の中を飛んでいるようだ。

 

飛行機の音は止まったので安心したが、次の瞬間、旋回を始めた。

 

リグウは馬を止め、息を飲んだ。

近くにちょうど、水飲み場があったため、馬に水を飲ませ、自分も顔を洗い、水を飲んだ。

 

木陰に入った。

すぐに空襲が始まるかと思ったが、なかなか始まらない。

 

ピカッと光ると大地が揺れた。

「ああ‥。」

元々暑かったのでよく分からない気がしたが、熱風が吹いてくる。

ロタと共に座り込んだ。

 

15分くらいたっただろうか。

リグウは目がチカチカした。

目の前はさっきよりも明るく見えたが、よく目をこらすと、煙が出ていて、さっきよりも暗かった。

とても暑いが、雨がふりそうな感じだ。空気は湿っている。

 

気づいたら、井戸のそばに来ていて、ロタは水を飲んでいた。

とっさに、リグウも水を飲んだ。

ロタは火傷をしていて、痛そうだ。

そこに水をかけてあげた。

 

ロタは行こうと言うように、頭を振った。

「大丈夫か。」

ロタはうなずいたように見えた。

 

リグウはロタを走らせた。

 

途中、自分の腕を見ると、焼けただれていたので、びっくりしてしまった。

人をおぶっている者もいるし、うずくまっている者もいるし、亡くなっている者もいる。

 

リグウはロタから落ちた。

知り合いをおぶっていた貞夫がリグウに気づき、いち早く病院に運ぶよう、警察に伝え、リグウは病院に運ばれた。

 

偶然、水虫のため、先に出勤していた吉成が泣きながら、リグウに付き添ったが、リグウは次の日、亡くなってしまった。

                                            

少しだけ目を開けた。

「リグウさんっ。」

しかし、それが、リグウの別れの合図だった。

 

リグウは見たかった。

この先の美しい未来を。

 

「あなたは勇敢でした。」

吉成はリグウの手を握り、言った。

まだ目を閉じてほしくなかったが、リグウは首を横にふることはできなかった。

でも、吉成は泣き、リグウの目を閉じることはできなかった。

 

リグウは星空の下に来ていた。

今まで見たことのないような、壮大な風景だ。

李大王が来た。

「永遠の命が、誰かに与えられているのなら、リ・グウ。お前しかいない。

お前は本物の王族だ。かけがえない、一族の最後の一人。」

李大王は言った。

 

『永遠。』

そして、リグウは目を閉じた。

 

「リグウさん‥!」

吉成は泣き続けた。

 

 

【With you】 by Shino Nishikawa

Share on Facebook
Share on Twitter
Please reload

最新記事

December 11, 2019

December 10, 2019

December 9, 2019

December 7, 2019

November 30, 2019

November 29, 2019

November 29, 2019

November 25, 2019

Please reload

アーカイブ
Please reload

タグから検索
ソーシャルメディア
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square

© 2023 by EMILIA COLE. Proudly created with Wix.com