コント 大女優カリファの授賞式

May 6, 2019

コント 大女優カリファの授賞式

「今日は、僕(マイク)の従姉の女優、カリファ・ローレンスのゴールデングローブの授賞式だ。

カリファは、『赤いバラの棘』という映画で主役を務め、ノミネートされている。

赤いバラの棘は、カリファ演じるトミーが、レオナルド演じる大物政治家、プリオの偽の妻を演じるという映画だ。」

 

「そんな。」

スマホを見るカリファが言った。

マイクが聞いた。

「どうしたんだい?」

「たった今、ジャックとの離婚が成立したわ。」

「よりによって今日かよ!今日はカリファの大切な授賞式じゃないか!」

「ええ。ジャックは結婚した時から、私への気持ちは少しもなかったわ。ジャックはいつも自分のことばかり。別れて正解よ。」

「お気の毒に。」

「いいえ、大丈夫よ。」

 

コンコン

「はい。」

「お姉ちゃん、ゴールデングローブ、ノミネートおめでとう。」

「ありがとう、ルビー。」

「これ‥、小さな花束だけど。」

「ああ、なんて、可愛いの。自宅のリビングに飾るわ。」

 

「ジャックも喜ぶといいけど。」

「ああ‥。」

マイクはうつむいた。

「ああ、ルビー。たった今、ジャックとの離婚が成立したの。」

「そんな。よりによって今日?」

「ええ、私も気が滅入っているわ。」

「今まで言えなかったけど、ジャックは最悪な男よ。お姉ちゃんには似合わないわ。」

「もっと早く教えてくれればよかったのに。」

 

「そろそろ時間だ、行こうか。」

マイクが提案した。

「私の髪型、決まっている?」

「後ろがちょっと重いな。」

「直してちょうだい。ふぅ、ありがとう。」

「いや、いいんだ。」

 

「さぁ、行きましょうか。」

ルビーが言った。

「その前にトイレへ行くわ。」

「じゃあ、手伝うわよ。」

 

「いや、結構。何を考えていたのかしら。トイレには、今さっき、行ったばかりなのに。」

「我慢しなくても大丈夫だ。」

「いえ、本当にもういいの。さぁ、行くわよぉ。」

 

 

アナウンサーが、最優秀賞の発表をした。

「最優秀賞は、赤いバラの棘、カリファ・ローレンスさんです。おめでとうございます。」

 

「ああ、ありがとう。とても光栄よ。」

「ローレンスさん、ついに、最優秀賞ですね。今の気持ちを教えて下さい。」

「たくさんの人に感謝しているわ。今まさに、夢が現実になった瞬間よ。」

 

「審査員のピエールさん、一言お願いします。」

「カリファ、最初から最後まで、君の演技は完璧だった。」

「ありがとう。」

「特に、最後にプリオに言った台詞、『演技はまだ、終わってないわ。』監督に聞いたのだが、これは君のアドリブだそうだね。あの台詞は最高だったよ。」

「ええ、そうなんです。『演技はまだ、終わっていないわ。』とっさに浮かんだ言葉よ。その台詞が評価されることは、とても嬉しいわ。」

 

アナウンサーが言った。

「ジャックさんも喜んでいるところでしょうね。」

「ああ‥、もうすぐ、あなた達の会社に、私からの直筆FAXが届くわ。

今さっき、ジャックとの離婚が成立したの。」

「そんな。何も知らず、すみません。」

「いいのよ。今日の授賞式は最高だったわ。

映画を観てくれた、全ての人に感謝の気持ちを述べるわ。今日はありがとう。」

 

 

そして、カリファは、高らかに両手をあげ、おじぎをし、会場を去っていった。

 

 

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