コント『新人歌手のはゆみ』

November 18, 2019

コント『新人歌手のはゆみ』

「こんにちは~。」

はゆみが部屋に入ってくる。

「こんにちは、お待ちしていました!こちらへどうぞ。」

社長が立ち上がり言う。

 

「ありがとう~。」

はゆみと爺さんがソファーに座る。

 

「このソファー、ベッドみたいじゃない?」

はゆみが爺さんに囁く。

 

「えっと、歌手のはゆみさんですよね。」

「はい。」

 

爺さんがしゃべりだす。

「私の名前は、楠木太蔵。今年で71才になります。どぞ、よろしくお願いします。」

「はい、よろしくお願いします。では、太蔵さんは、はゆみさんのマネージャーだということですか?」

「ううん、ちがう。私の彼氏。」

 

「ええっ。ずいぶん、年が離れているんですねぇ。」

「出会ったのが遅かったもんで、仕方ないんですわ。」

「うん、それはしょうがないよね。」

 

「えっと‥はゆみさんのご両親は、歌手になる事は知っていますか?」

「うーん。ママにはまだ言ってない。」

「あー、そうでしたか。」

「私のママさ、スナックで働いているんだよね。若い人の面倒もあるから、言っても許してくれないと思う。でも、歌手は、はゆがずっと憧れてた夢だからあきらめたくない。」

「はゆだって、覚悟決めて、東京に来たんだもんな。」

「うん。そう言ってくれるの、太ちゃんだけ。」

 

「太蔵さんは、普段仕事は何をされているんですか?」

「太蔵さんじゃなくて、太ちゃんって呼んでくれる。」

はゆみが社長に言う。

「えっと‥太ちゃんは、普段仕事は何をされているんですか?」

「俺はもうずいぶん前に定年退職しましてねぇ、今はシルバーやってます。」

「ああ、そうでしたか。」

 

「ライブとかってぇ、そっちで構成考えてくれるんだよね?」

「うん。そうだけど、基本的には、はゆみさんが主導になって計画してほしいんだよね。」

「へー、そっかぁ。はゆがやる事って、歌うことだけ?」

「うん‥ダンスとかできるの?」

「少しはできる。」

「はゆみは、ダンスがうまいんですよ。なぁ、はゆ、ここでやってみろ。」

「いや、今はいいって。太ちゃん、何言ってんだよ!」

 

「はゆみさんは、歌って踊れる歌手なんだね。」

「うん。でも本当は、歌手じゃなく、女優になりたいの。」

「ええ、女優に?歌手になりたいから、前の会社をやめてきたんじゃないの?」

「そうじゃなくて、前の会社では、突然、水着になれって言われたの。」

「そうだったんだ。でも、はゆは、歌が書けるんだから、わざわざ女優にならなくてもいいんじゃない?」

「ううん。私は歌書けないよ。」

「ええ?」

「はい。はゆみの歌は、全部、俺が書いているんですよ。」

「それで、私が歌っているんだよねぇ。」

はゆみは太蔵に笑う。

「ええ、そうだったんですかぁ‥。」

 

「それでさ、社長。」

「何?」

「薬代くれる?」

「ええ、それ、どういう事?」

「だからー、はゆ、歌手でしょ?妊娠とかしたら困るじゃん。」

「あの‥この会社では、薬代とかおやつ代とかは出ません。」

「おやつ代なんて言ってないじゃん。何言ってんの!」

 

「はゆ、しっかりと仕事をすれば、必ず結果もついてくるからな。」

「太ちゃんの言う事が一番信用できる!」

 

「はゆみさん、もう少し大人になってくれないと、ここではやっていけないからね。」

「大人って何!アイドルに年齢なんて関係ないじゃん!アイドルはずっと子供みたいだから、いいんじゃないの?」

「ええ、アイドル?はゆみさんは、歌手じゃなくて、アイドルになりたいの?」

「うん、そうだよ!」

「はゆはずっとアイドルになりたかったんだもんなぁ。」

「うん。」

 

「ええ。」

 

「もう社長とは話合わない。さよなら。」

「社長、また来ますわ。」

2人は出て行った‥。

 

 

Share on Facebook
Share on Twitter
Please reload

最新記事

December 9, 2019

December 7, 2019

November 30, 2019

November 29, 2019

November 29, 2019

November 25, 2019

Please reload

アーカイブ
Please reload

タグから検索
ソーシャルメディア
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square

© 2023 by EMILIA COLE. Proudly created with Wix.com