5つの話Ⅳ

November 29, 2019

5つの話Ⅳ

  • 舌を汚した男

「初めて、母親が父親にアレをしているのを見たのは、小学5年生の時です。初めてしてもらったのは‥、確か夢の中でした。中学生の頃、雪が降る中、傘をさして女子を待った事があります。教頭が出て来て、何か言い、しばらくすると母親が来ました。あの時、なぜ僕が怒られたのでしょうか?あの日から、教頭は僕を嫌いになったようです。僕はすぐにアレに夢中になりました。部活なんかしなくてもいいから、アレをやりたかったのです。アレが出来ない日は、不機嫌になるほどでした。東京に来てから、しばらくはアレがなかなかできませんでした。なぜかは分かりません。22才の頃、一番好きだった人を亡くしました。僕は泣きましたよ。そのすぐ後です。母親が父親と別れて、上京してきたのは。

‥え?あの子が何を消してもらいたいと?いや、僕はそんなにすぐには忘れたくありません。あの子、あそこの米を食べたんですよ、一粒一粒。

僕は母親にも、アレをやってもらいました。そして、しばらくすると、仕事も恋愛もうまくいかなくなりました。我慢していたら、僕も五輪という輝く舞台を目指す男になれたのでしょうか?でも‥結婚までうまくやりましたよ。僕、一番うれしかったのは、相手のお母さんの蒼白な顔です。けれど、お母さんが僕の手を握って、娘を汚さないでと泣いて伝えた時、僕は怖くなりました。‥いや、我慢なんかできませんよ。でも、大丈夫です。東京には、風俗の子がたくさんいますから。僕は結婚してから、10人以上の女子の舌を汚したんです。」

 

 

  • 母親の話

「私が辛いのは、なぜあの人との結婚生活があんなに悲惨だったのか悩んでしまうことです。‥ええ、それはもちろん。私が年を取ったという事も関係があるのでしょうね。え?ああ、あんな息子はもらわなければよかったです。あのバカ息子には、どこかに行って消えてもらいたい!

‥あの人には、他に好きな人がいたのでしょうか?いえ‥私には分からなかったんです。何しろ、あの人の舌がとにかく気持ちよくって。あの人が私のアレまでもキレイにしてくれた時から、私はあの人の奴隷になったんだと思います。ええ、分かりますよ、それくらい。私もだてに年はとっていないですから。‥実は、私には夢がありました。それは‥言ったら恥ずかしいかな?いや、勇気を出して言います。声優です。私は声優になりたかったのです。それに‥本気で私を愛してくれる人がいる事も分かっていました。でも‥、でも、彼が死んだ事がずっと分からなかったのです。いや、私が悪い事を続けていたので、教えてもらっていなかったんです。私、こんなごみごみした東京で、苦しみたくありません。こんな事が毎日続くのなら、みんなみんな、水に流してもらいたい!でも、東京湾からは大量に水は流れ込まないでしょう?やっぱり、空からでないと。ふふ、もしそうなれば、私たちみんな一緒に泡になれるのですね。あのやんちゃな僕ちゃんも一緒に。

五輪?ああ、観たいです。もしも、五輪のスーパースターに抱かれるのならば、夢のようですわ。」

 

 

  • ベテラン選手の話

「そういう話があるとは夢にも思わなかったです。ずっと僕は、みんなは勉強をやっているものだと思っていましたから。僕は勉強だけは嫌いですよ。だから、自分だけ学校をさぼって、ずっとトレーニングを続けてきました。あの日、トレーナーから声をかけられた時、全身が凍り付きましたよ。なんせあの日は確か‥、定期テストの前日でしたからね。僕‥他人にこんなに苦しい日々があったとは初めて知りました。病気で弟が死んだりとか、妹を殺してしまったりとか、そりゃ、とても可哀想な話だとは思いますよ。でも、僕は‥兄弟仲が悪くて‥いつもお互いを憎みあっている関係でした。だから‥そういう、兄弟の愛情とか、知らなかったんですよ。‥すみません。

五輪ですか?それは結構楽しいですよ。みんなおなじみのメンバーですから。もちろん、そのままではダメ、ですけど。‥ぐちゃぐちゃと?いや、僕はそんな深くは考えないです。でも、1人部屋じゃなきゃダメですね。僕なんかは、ゾーンに入っちゃうんで。試合の前日とかは、相手の事なんか無視ですよ。‥いやー、仕方ないです。仲間とかを知らずにここまで来ちゃってるんで。まぁー、出来ない事も、出来るようにならなければ、ならない、ですよね?ああ、はい。まぁ、そんなに僕は深くは考えないですよ。(ぽんぽん)」

 

 

  • 新人選手の話

「はい。僕は、五輪を目標にここまで頑張ってきました。音楽?いや、あんま聞かないです。聞きたくないってわけじゃありませんけど。誰かを否定している曲はダメだと思います。‥ああ~、その話って本当なんですか?僕としては、信じたくありません。

だけど、他人の話なんて、よした方がいいですよ。‥五輪?はい、とても楽しみです。うーん、ご飯とかはあんまり食べたくないですね。そりゃ、体に必要な物は摂るつもりですけど。なんのためにここまで来たか、それは勝つためなんですよ。‥ああ~。いやー、ちょっと嫁とかは、まだ‥。いや、僕、五輪までは何も考えられないですよ。」

 

 

  • カウンセラーの話

「はい。姉妹のことがいやになったのは、東日本大震災の時に並んだ死体を見た時からです。ああ、いつかは、お姉ちゃんともMちゃんとも離されると分かり、私は泣きました。

それ以来、私は夢を見るようになったんです。でも、気づくと現実にいます。すごく怖かったのは、起きたら隣に裸の男の人がいた時です。私がその人に何をしたかすぐに分かりました。私は怖くて、すごく泣きました。

はい、カウンセラーの仕事を始めたのは、3年前です。私は、92年生まれですから、27才です。‥いえ、私、そんな事ないと思いますよ。料金?私はそんなものはもらいたくありません。1人でペラペラと話して‥それでお互いに楽になりますから。本当はもう止めないといけないんですけど‥家にストレスがあるので、戻れません。はい。

私が神様から愛されている?確かに、そう感じる時はあります。でも‥もしも、私を本当に見ているのなら、私の本当の王子様を探し出してくださいよ!!ええ?突然キレるって仕方ないじゃありませんか!お姉ちゃんやMちゃんは良い人ともう会っているんですから!‥もしも、そんな事が本当にあるのなら、誰か教えて下さい。ねぇ、それって誰なんですか?はい、私、五輪に出てみたいです。もう無理だとは思いますけど。‥はい、その人と結婚したのは私です。すみません。ええ。だからよくなるって、本当ですか?はい、私、頑張って暮らします。ありがとうございました。」

 

 

 

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